出版社内容情報
ぞうの親子が森の奥へいくと、かつて森だったところは切り開かれ、田んぼになっていた。稲を食べたおかあさんは、田んぼを守ろうとする人間に銃でうたれ…大切な家族を守ろうとする心は、動物も人間も同じであることを描く。
藤原幸一/文・写真
5歳から
内容説明
ぞうもひとも、大切な命を守りたい。子ぞうのポロンは、大好きなお母さんといつもいっしょ。おとずれた突然の別れにポロンは―
著者等紹介
藤原幸一[フジワラコウイチ]
生物ジャーナリスト。ネイチャーズ・プラネット代表。ガラパゴス自然保護基金(GCFJ)代表。学習院女子大学非常勤講師。秋田県生まれ。日本とオーストラリアの大学・大学院で生物学を学ぶ。現在は、野生生物の生態や環境問題に視点をおいた生物ジャーナリストとして世界中を訪れ、アジアではゾウを中心に取材を続けている。著書は『マダガスカルがこわれる』(第29回厚生労働省児童福祉文化財、ポプラ社)、『ヒートアイランドの虫たち』(第47回夏休みの本、あかね書房)、『ちいさな鳥の地球たび』(第45回夏休みの本)『ガラパゴスに木を植える』(第26回読書感想画中央コンクール指定図書、岩崎書店)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみきーにゃ
62
3歳にはまだ早かった(ーー;)死が理解出来たらまた挑戦します!2020/11/11
ヒラP@ehon.gohon
27
動物愛護の絵本だという感覚で手にとりました。 ぞうという動物を知り、共存する動物たちと自然を考え、その生態に微笑ましいものを感じていたら、絵本は次第に核心に入っていきます。 人間が、次第にぞうや他の動物たちの世界を奪っていく現実に向き合うことになりました。 こうして動物たちは減少していくのでしょうか。 それにしても唐突な出来事には心の準備がありませんでした。 動物たちの居場所がなくなり、食べ物がなくなったら、生きるために人間の社会に出てきてしまうのは仕方ないことでしょう。 人間はそれを受け入れません。 2023/02/09
gtn
25
動物園の象しか知らない。野生の象がいることを不思議に思う。よく考えたら、野犬も見たことがない。野良猫は目にしたことがあるが、元々は飼われていたものだろう。すべて、人間というフィルターを通した生き物にさせられた。2022/02/18
ケ・セラ・セラ
17
生物ジャーナリストの作者による写真科学絵本。美しい豊かな自然と動物たち。ぞうたちがゆったりと幸せそうに暮らせる場所。その森や草原を破壊していったのは人間。自分たちの暮らしを守るためとはいえ、言葉の通じない動物たちを一方的に殺すことが許されるのでしょうか。共存は綺麗事でしょうか。タイトルに「ひとのなみだ」はいらない気がします。2023/03/30
遠い日
16
人にとっても象にとっても、深刻な問題がここにある。なんとか象たちの居場所を確保する手だてはないものか。人は人優先で動く生きものだから、どうしても犠牲になるのは、象たちとなる。そのジレンマが悲しくやりきれない。2015/07/12