昆虫食先進国ニッポン

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750508153
  • NDC分類 383.8
  • Cコード C0039

出版社内容情報

第1章 積極的な食文化としての昆虫食──昆虫を食べるということ

 1 世界は虫を食べている
 2 日常食、そしてごちそうとして
 3 昆虫食を“文化”として研究する

コラムⅠ 日本で食べられていた昆虫たち

第2章 ハチの採集技術とその方法──はちの子を求めて、日本をめぐる

 1 はちの子は全国で普通に食べていた食材
 2 知恵の集積──「ハチ追い」の技
 3 野生を育てるおもしろさ──飼い巣
 4 ハチを味わう
 5 ハチ追いの醍醐味
 6 クロスズメバチ採りの広がりと保護
 7 九州山地のオオスズメバチ採り

コラムⅡ 多種多様な食用昆虫の方言

第3章 旬の味覚を担う家庭料理としての側面──食べる虫の代表選手、イナゴ

 1 全国的に食べられていたイナゴ
 2 漁村でもイナゴ採りをする
 3 イナゴ採りの実際
 4 イナゴ食の盛衰
 5 魅惑のイナゴ料理
 6 「イナゴと戦争」
 7 学校行事に取り入れられる
 8 イナゴ採り師の活躍
 9 活きイナゴに人の列
 10 バッタあれこれ

第4章 生産活動の変化で食卓から消えた虫──森のめぐみのイモムシ

 1 森のめぐみ──カミキリムシの幼虫
 2 カミキリムシの食べ方
 3 ファーブルも絶賛の味
 4 燃料革命とともに消えた味
 5 幻の味を求めて
 6 薬にもなるイモムシ
 7 イモムシいろいろ

第5章 絹糸産業における副産物の食利用──「御」「様」がつく虫、カイコ

 1 「絹の味」は今も人気
 2 『女工哀史』とカイコのサナギの食用
 3 廃物利用ではなく“副産物”
 4 サナギ売り
 5 サナギを料理する
 6 ガの成虫もおいしい
 7 時は流れて

第6章 「遊び」の文化と昆虫との共存関係──日本も世界も、多様な虫を食べている

 1 セミはおいしい
 2 ゲンゴロウ、ガムシの食用
 3 川の生き物ザザムシ
 4 薬として活用されたマゴタロウムシ
 5 タガメの卵
 6 外国と日本の昆虫文化の相似

第7章 世界一の加工技術と確立された流通システム──スーパーで買える故郷の味

 1 商品としての昆虫食
 2 ミニ缶で昆虫食への関心を広げる
 3 自然の商品化
 4 森林組合の瓶詰
 5 生巣を売る
 6 アリチョコで潤った村

第8章 文化の多様性への「気づき」と「理解」──「おいしい?」から「おいしい!」へ

 1 文化環境学と昆虫食
 2 稲作文化を考える
 3 虫を食べる授業
 4 生き物を食べるということ
 5 小学生の好奇心に昆虫食
 6 イモムシを目の前にした女子高生

おわりに

内容説明

多種多様な虫を食べるアジア、アフリカに比べてもひけをとらない日本。昆虫採取にかける手間と時間、調理の繊細な下ごしらえと味付け、流通の四通八達、マーケットを意識した商品づくりは、どれも世界一。日本人の工夫の数々を深く、愉しく探る。

目次

第1章 積極的な食文化としての昆虫食―昆虫を食べるということ
第2章 ハチの採集技術とその方法―はちの子を求めて、日本をめぐる
第3章 旬の味覚を担う家庭料理としての側面―食べる虫の代表選手、イナゴ
第4章 生産活動の変化で食卓から消えた虫―森のめぐみのイモムシ
第5章 絹糸産業における副産物の食利用―「御」「様」がつく虫、カイコ
第6章 「遊び」の文化と昆虫との共存関係―日本も世界も、多様な虫を食べている
第7章 世界一の加工技術と確立された流通システム―スーパーで買える故郷の味
第8章 文化の多様性への「気づき」と「理解」―「おいしい?」から「おいしい!」へ

著者等紹介

野中健一[ノナカケンイチ]
1964年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科史学地理学専攻中退。理学博士。現在、立教大学文学部教授。地理学、生態人類学、民族生物学を専攻。人間と身近な自然をテーマに世界各地を回り、昆虫食文化について研究を進める。2008年、人文地理学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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tokkun1002

5
2008年。昆虫食。今も日本で想像以上に食べられている。ポピュラーなのは蜂。取り方育て方食べ方。本気だ。この書の中は愛知県だらけ。全然実感はない。あ、そう言えば、香嵐渓で蜂の子を食べたような…2016/07/28

osprey4691

2
個人的に食にタブーは無いんだが、さすがに昆虫は食べた事が無い。野鳥が育雛する際昆虫の豊富な時期を選ぶと言う点から考えても、昆虫食は非常に効率がいい食物と言う事想像されるのだが、何故日本では昆虫食が廃れてしまったのか?カロリーベースでの食糧自給率が40%になってる現状、感情的な嫌悪感を乗り越え昆虫食についてまじめに考える時期に来てるのかもと思った。2012/06/15

mimm

1
日本で昔から食べられてきたメジャーな虫それぞれに焦点をあて、獲り方、関わり方、もちろん食し方などから始まる一冊。実は環境問題が関わってきている、深い内容でした。昆虫食が豊かであると言うことは、それだけ自然環境が豊かであり、自然と共存していることであり、多少不便でも、体には優しいということで、虫のいない世界はやっぱり怖いぞ、と。私はひどい偏食(おそらく味覚がずれてる自覚あり)ですが、ハチの子は食べてみたいかな、と思ったり。他の昆虫も美味なようだけど、どうにも油っこそうで。2017/01/23

yamakujira

1
昨今、食料対策として昆虫食が話題になっている。日本でも長野県などで、イナゴやハチノコ、ザザムシが食べられている。海から遠い地方で、蛋白源として仕方なく食べていたんだろうと思っていたら、違ったようだ。昆虫食は救慌食物ではなく、伝統ある食文化だ、つまり、好んで食べていたんだと真摯に学んだ。実際に、ハチノコやカミキリムシの幼虫やセミの幼虫は美味しいらしい。シャコやナマコやホヤを食べる日本人ならば、慣れれば昆虫も食べられるだろうな。 (★★★☆☆)

snsk

1
案外おいしそう。はちの子やいなごも立派な日本の食文化の一つだし、現代では原料輸入/加工/輸出というグローバルなサプライチェーンが確立してるというのも面白かったです。2009/07/15

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