高齢者の社会的孤立と地域福祉―計量的アプローチによる測定・評価・予防策

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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784750346540
  • NDC分類 369.26
  • Cコード C0036

出版社内容情報

超高齢社会・日本では、高齢者の孤独死などの社会的孤立が深刻化している。本書は、最新かつ多様な調査データに基づいた計量的アプローチにより、高齢者の社会的孤立に関する詳細な測定・評価を行い、今後の孤立予防・軽減策を展望するものである。

序章――本書のねらい





第?部 社会的孤立の定義・問題の所在



第1章 社会的孤立とは何か

 社会的孤立が議論される背景

 社会的孤立の定義と測定方法

 高齢者の多くは孤立しているのか

 高齢者の社会的孤立研究の課題



第2章 社会的孤立は「問題」といえるのか

 離脱理論、社会情緒的選択理論と自発的な孤立

 社会的孤立と関連する諸問題

 社会的孤立問題の課題共有の必要性



第3章 どの程度の乏しさから社会的孤立と捉えるべきか

 健康指標との関連に着目する意義

 使用するデータ

 交流頻度の多少による要介護認定等の発生率の相違

 健康リスクが高まる人との交流頻度の乏しさ:多変量解析

 交流頻度が週1回未満・月1回未満という基準

 他者との交流が不明な人々





第?部 社会的孤立・孤立死の要因



第4章 独居高齢者は社会的に孤立しているのか

 高齢期の独居と社会的孤立

 使用するデータ

 独居状態に至る主要な経緯:独居世帯の多様性

 どのような独居が孤立と関連しやすいのか

 長期孤立と短期孤立の相違

 多様な「独居」に着目する意義



第5章 誰が孤立しやすいのか――社会的孤立の個人要因

 システマティック・レビューの動向と課題

 人口学的要因との関連

 家族形成との関連

 社会経済的地位との関連

 身体的・精神的健康との関連

 無回答・調査拒否と社会的孤立との関係



第6章 孤立死に至る人々はどういう人なのか――セルフ・ネグレクトとの関連

 社会的孤立の帰結としての孤立死・孤独死

 孤立死とセルフ・ネグレクト(自己放任)

 使用するデータ

 セルフ・ネグレクト事例の多様性

 深刻度との関連:孤立死に至りやすい人々とは

 孤立死事案をめぐる今後の課題





第?部 孤立予防・軽減にむけた実践と評価



第7章 見守られている人はどういう人か――独居高齢者への見守り活動のプロセス評価

 住民主体の見守り活動のプログラム評価の課題

 使用するデータ

 見守り活動利用・非利用独居者の特性

 住民による見守り活動の未充足ニーズ数

 見守り活動のプロセス評価の意義

 評価に耐えうるデータ整備の必要性



第8章 地域活動の推進は社会的孤立を軽減させるのか

 高齢者の社会的孤立・孤独軽減にむけたプログラム

 地域活動への参加による孤立軽減効果の可能性

 見守り活動や生活支援による孤立軽減効果の可能性

 高齢者の社会的孤立軽減にむけた介入研究の課題



第9章 高齢者が孤立しやすい地域はあるのか――社会的孤立の地域環境要因

 ポピュレーション・アプローチの可能性

 地域環境が個人の社会関係に及ぼす影響

 高齢者が孤立しやすい地域はあるのか

 地域単位のソーシャル・キャピタルと孤立化/非孤立化との関連

 社会的孤立の軽減にむけた地域診断の可能性と課題



結論と展望

 本研究で得られた主要な知見

 学術的・政策的インプリケーション

 本研究の限界と今後の課題





 引用文献

 あとがき

 初出一覧

 索引

斉藤 雅茂[サイトウ マサシゲ]
著・文・その他

目次

第1部 社会的孤立の定義・問題の所在(社会的孤立とは何か;社会的孤立は「問題」といえるのか;どの程度の乏しさから社会的孤立と捉えるべきか)
第2部 社会的孤立・孤立死の要因(独居高齢者は社会的に孤立しているのか;誰が孤立しやすいのか―社会的孤立の個人要因;孤立死に至る人々はどういう人なのか―セルフ・ネグレクトとの関連)
第3部 孤立予防・軽減にむけた実践と評価(見守られている人はどういう人か―独居高齢者への見守り活動のプロセス評価;地域活動の推進は社会的孤立を軽減させるのか;高齢者が孤立しやすい地域はあるのか―社会的孤立の地域環境要因)

著者等紹介

斉藤雅茂[サイトウマサシゲ]
日本福祉大学社会福祉学部准教授。1980年埼玉県生まれ。上智大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。博士(社会福祉学)。日本学術振興会特別研究員、日本福祉大学地域ケア研究推進センター主任研究員を経て2012年より現職。平成26年度日本老年社会科学会論文賞、平成24年度日本老年社会科学会奨励賞、第22回日本疫学会学術総会ポスター賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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