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明石ライブラリー
精神分析と社会学―二項対立と無限の理論

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784750319544
  • NDC分類 361
  • Cコード C0336

出版社内容情報

一見、水と油の関係にある社会学と精神分析。しかし、社会を構成するのが個々人であるとすれば、それぞれを架橋する事で新たな理論的可能性が開けるのではないか。それぞれに現れる「二項対立」と「無限」に関するロジックを手掛りに新たな理論的地平を拓く。

序 章 二次的なものとしての現実――社会学会の片隅から
 社会学にとって「快感原則」が意味するもの――現実をめぐる地と図の反転



序章
 一九九九年秋、第七二回日本社会学会(上智大学で開催)の「学史・学説」一般報告部会で、一つの共同発表が行われた(司会は作田啓一先生がつとめられた)。テーマは「ラカンと社会学」であり、筆者を含めた五人が、精神分析と社会学を新たな形で結びつけるための試みを行った。第一発表は、伊藤美緒の「根源的性差/性的差異について――ラカン理論の地平から」、第二発表は、中野昌宏の「交換経済の前提をなす欲望の二重性について――解釈学的循環のモデルとして」、第三発表は、樫村愛子の「シンディー・シャーマンの症候的擬態――ヒステリー以前の『寸断された』擬態について」、第四発表は、筆者の発表、そして第五発表は、岡崎宏樹の「聖なるものの社会学――ラカン理論の視座から」であった。
 本書は、この部会発表をちょうど中間点に置いて、それに至るまでとそれ以後の文章それぞれ半々からなっている。学会発表うんぬんは、確かに形式上の問題ではあるが、発表者たちの気持ちとしては、部会発表をすることによって、社会学理論の中での精神分析の存在を確認したいということだったと思う。もちろん、それまでも社会学と精神分析は様々な形で関わってきた。しかし、私たちが

目次

序章 二次的なものとしての現実―社会学会の片隅から
第1章 超自我は社会規範か―フロイト第二局所論・再考
第2章 「科学的心理学草稿」の射程―初期フロイト理論の可能性
第3章 快の論理構造―エディプス・コンプレックスのコミュニケーション的転換
第4章 規範のユークリッド幾何学―大沢真幸理論・無限・平行線公準
第5章 ゲーム理論と隠喩―樫村愛子『ラカン派社会学入門』をめぐって
第6章 『風土』の論理構造―二項対立から見た和辻哲郎

著者等紹介

竹中均[タケナカヒトシ]
神戸市外国語大学助教授。1958年生まれ。90年、早稲田大学第一文学部社会学専修卒業、95年、大阪大学大学院人間科学研究科社会学専攻博士後期課程単位取得満期退学。大阪大学人間科学部助手を経て現職。博士(人間科学)。専攻は理論社会学、日本文化論
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