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北朝鮮本をどう読むか

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  • サイズ B6判/ページ数 252p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750316840
  • NDC分類 302.21
  • Cコード C0036

出版社内容情報

1980年代以降、北朝鮮を否定的にとらえる書籍が多数刊行されている。そうした書籍の中には、同じ情報を使い回しているものや、伝聞や推定に基づいてつくられているものも多い。反北朝鮮書籍の虚実を韓国・米国情報や相互の比較検討によって明らかにする。

序章 北朝鮮ネガティヴ・キャンペーンを読み解く[和田春樹]

金正日打倒という宿願 『現代コリア』グループの北朝鮮論[高崎宗司]
いくつものペンネーム、いくつもの人生 『朝鮮戦争』(萩原遼)ほか[和田春樹]
「憂国の念」にかられる「職業的観察者」 『退屈な迷宮』(関川夏央)ほか[佐藤久]

非政治的哲学者を装う大物亡命者 『金正日への宣戦布告』(ファン・ジャン・ヨプ)[太田修]
李恩恵救出を叫ぶKAL機爆破犯 金賢姫の二つの手記[グループ・ナム]
50通りの部分的真実 『北朝鮮・亡命者五十人の証言』(『アエラ』編集部)[佐藤久]
壁を壊そうとしてつくってしまう男 『北朝鮮を知りすぎた医者』(フォラツェン)[グループ・ナム]

帰国者の苦難から離れて金正日非難へ 『裏切られた楽土』(張明秀)ほか[グループ・ナム]
北朝鮮留学の実態 『北朝鮮秘密集会の夜』(李英和)ほか[高崎宗司]

精神的クーデター小説 『宣戦布告』(麻生幾)[和田春樹]
新朝鮮戦争小説を読む 『日本朝鮮戦争』(森詠)ほか[高崎宗司]

拉致映画人が伝えた金正日の肉声 『闇からの谺』(崔銀姫・申相玉)[重

(前略)
 総じて見ると、この間の北朝鮮報道、論議においては平壌宣言に示された包括的な解決をめざす方向性が忘れられていた。拉致問題だけが偏重され、一方では植民地支配に対する謝罪と経済協力の問題、他方では核とミサイルの安全保障問題がまったく議論されなかったのである。マスコミの報道は日朝国交交渉を中断させた責任の重要な一端を担っている。北朝鮮がNPT脱退というような瀬戸際外交に乗り出すのをとめる力が日朝国交樹立にあったのに、まことに悲しむべき事態である。
 日朝国交樹立をめざし、建設的、理性的な交渉を主張する者、バランスのとれた多面的な報道を主張する者は今なお「国賊」扱いである。北朝鮮が食糧不足に慢性的に悩み、経済困難がつづいている国であること、国内言論が画一的に統制されていて、指導者の個人崇拝が危険なほどに高められていること、収容所の条件は悲惨であること、多くの人が食糧をもとめて中国に脱出していること、体制批判をして亡命を望む人も増えていること、この国が過去に拉致もしたし、テロもやったこと、いまは核兵器の開発をすすめているのではないかという疑惑をもたれていること――そういうことはすでによく知られている。
 な国では外交はできない。いつまでもよその大国の言うなりになって、あわれむべき受益者にとどまるほかないであろう。それでは日本自体の安全も韓国国民からの敬意も永久に得られない。

あとがきにかえて 高崎宗司・和田春樹

内容説明

1990年代以降刊行された500を超える北朝鮮関連書籍の大半は、北朝鮮を批判・非難・攻撃する本ばかり。氾濫する北朝鮮本を相互比較し、日本・韓国・米国の北朝鮮研究と照らし合わせてみると…。1984年以降の北朝鮮関連書籍リスト付。

目次

北朝鮮ネガティヴ・キャンペーンを読み解く
金正日打倒という宿題―『現代コリア』グループの北朝鮮論
いくつものペンネーム、いくつもの人生―『朝鮮戦争』
「憂国の念」にかられる「職業的観察者」―『退屈な迷宮』
非政治的哲学者を装う大物亡命者―『金正日への宣戦布告』
李恩恵救出を叫ぶKAL機爆破犯―金賢姫の二つの手記
50通りの部分的真実―『北朝鮮・亡命者五十人の証言』
壁を壊そうとしてつくってしまう男―『北朝鮮を知りすぎた医者』
帰国者の苦難から離れて金正日非難へ―『裏切られた楽土』
北朝鮮留学の実態―『北朝鮮秘密集会の夜』〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めっかち

4
 著者が岩波書店系の真っ赤の極左であることは知っていながら少し読んで見た。北朝鮮をここまでかばい建てするとは金でももらってるのではと疑ってしまう。こういう連中が学界を支配している限り日本は良くならないだろう。いや、真面目に拉致被害者家族がこの本を読んだらどう思うのか……そういうことがこういう頭でっかちには理解できないのだろう。しかし、こんな表を作ったり、学者様は暇なご職業のようだ。2020/06/16

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