内容説明
依子の両親は家庭内別居中。さらに、母親の長期出張が決まり、依子は親友・梢の家に下宿することに……。大家族の梢の家は、核家族の依子にとってはまるで外国。女子高生同士の友情と信頼の中に、家族とはなにかを問う、ふしぎな浮遊感ただようお話。
著者等紹介
大島真寿美[オオシママスミ]
1962年名古屋に生まれる。1992年「春の手品師」で文學界新人賞を受賞。みずみずしい筆致に注目が集まる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なゆ
68
受賞後できた大島真寿美コーナーで発見!YAの棚にあったせいで、今まで気付かなかったらしい。家族っぽさを知らずに育った女子高生の依子。そもそも親が家庭内別居なのに、父親は単身赴任、母親も上海に長期出張となり、一時的に友達の梢んちに居候させてもらうことに。ドラマでしか見たことないような賑やかな家族に囲まれて、“家族”や自分のこれからについて考えはじめる。子どもから見て、親が子供っぽく見える瞬間がある。そういう時が、精神的にグッと大人になりかけてる時なんだろうな。恋する梢の恋一色な動きが可愛かった。2019/07/31
tokotoko
55
この本の第1章のタイトルは「うちにくれば?」。そのタイトルにも、主人公依ちゃん(女子高生)の語り口にも、ぐいぐい誘われて、気が付けば親友梢ちゃんの家に辿り着いてます。それからはね、ずっとみんなとお茶の間にいるような感覚で、笑ったり、悩んだり、ご飯モリモリ食べたり。とっても居心地がよかったです。でもこのお茶の間、期間限定で・・・!みんな、ちょっぴりたくましくなって、すがすがしく、去っていきます。私もそろそろ立ち上がろーっと!がんばろーっと!!2015/08/14
U
18
さらさらとして、繊細で、みずみずしい。どろどろとしたところがなく、ほっとできるような読後感がとても好き。表紙もとても可愛い。やっぱり大島さんの文章はふんわりと白くやさしい感じがして、わたしはすごく好きでした。友情とか、家族ではない家族愛とか、それぞれの尊重の仕方とか。誰かの味方になる為の言葉、とか。バアバのさりげない良いキャラっぷりとか。ほの淡い花から雫が垂れるような想いとか。依子ちゃんの地の文もなんとも現代ぽくて良かった。接触はないのに存在感の大きい沖田くんとの今後がとても気になります。2012/02/10
ぶんこ
15
高校2年生の話というよりは、中学生の感じがしてました。 4ヶ月間、自宅があるのだし、普通一人で充分生活できそうですけど? 突っ込みたくなるところがありますが、依子さんと梢さんの家庭環境の違いが、この年頃では、コンプレックスにもなるだけに、今、悩んでいるであろう若い世代に読んで欲しい本かな?2014/01/26
星落秋風五丈原
13
依子の両親は家庭内別居中。さらに、母親の長期出張が決まり、依子は親友・梢の家に下宿することに……。大家族の梢の家は、核家族の依子にとってはまるで外国。女子高生同士の友情と信頼の中に、家族とはなにかを問う。2007/02/19