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バーティミアス―サマルカンドの秘宝

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  • サイズ A5判/ページ数 613p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784652077351
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

2003年10月2日に英米同時発売、イギリスでは発売1週間の児童書部門第1位、総合部門第4位を記録。 世界21カ国で出版が決定!

★ストーリー★
舞台は、魔法使いたちが支配する現代の街ロンドン。 泣き虫で負けず嫌いの12歳の少年ナサニエルは魔法修行中だが、ベテラン妖霊バーティミアスを呼び出し、邪悪なエリート魔法使いサイモンに復讐をするため<サマルカンドの秘宝>を盗み出そうとする。 ヒヨッコ魔法使いの少年と、まぬけな妖霊バーティミアスのコンビは、<秘宝>を手に入れ、強敵サイモンを やっつけることができるのか?ファンタジー&アドベンチャー3部作、第1弾の登場!

★プロローグ~妖霊召喚★
部屋の空気がすーっと冷たくなった。カーテンが凍りつき、天井の照明に厚い氷の膜がはり、白熱していた電球も輝きを失った。あたり一面に芯を切ったロウソクが浮かびあがって、毒キノコの大群のように見える。暗くなった部屋には、むせかえるような硫黄の煙がたちこめ、ぼんやりした黒い影が身もだえしてあばれだした。遠くで無数の叫び声が聞こえる。と、とつぜん、階段に通じるドアに大きな力がかかった。ドア板が内側にたわみ、きしんだ音をたてる。目に見えないなにかが近づいてくる足音。ぶつぶつ文句をいう声も、ベッドのうしろや机の下のほうから聞こえてくる。硫黄の煙が帯の形をとりはじめた。そこから巻きひげのような細い煙が何本も出たかと思うと、舌みたいに空気をひとなめしてひっこんだ。煙の帯は五茫星の魔法円(ペンタクル)の上をただよい、噴火した火山の煙のように、天井に向かってもくもくとのぼっていく。そして、その動きがとまった瞬間、煙の真ん中からギョロッとした黄色いふたつの目があらわれた……。

★主な登場人物★
◎バーティミアス:妖霊。中級レベルの魔神。5010歳だからまあまあベテラン。地球に呼び出されたときはガーゴイルの姿でいるのが好き。ナサニエルに召喚された
◎ナサニエル:12歳の魔術師の卵。小さいころに政府にあずけられ、ほんとうの名前や親を捨てて修行中。
◎アーサー・アンダーウッド:ナサニエルを弟子としてひきとった魔術師。国家保安省の役人。ちょっと気むずかしい男
◎マーサ:アンダーウッドの妻。母親がわりにナサニエルにやさしく接している
◎サイモン・ラブレース:若手エリート魔術師。長身で学者タイプの冷たいハンサム。策略家で油断ができない
【妖霊たち】
◎フェイキアール:バーティミアスのライバル。地球ではコック姿が定番
◎ジャーボウ:闘うのが大好きな好戦的な妖霊。得意技は爆撃
◎ザークシーズ:雄牛頭のロンドン塔の看守。バーティミアスにはうらみがある
◎バズツーク:ワシ頭のロンドン塔の看守
【魔術師や人間たち】
◎アマンダ・カスカート:サイモンの愛人とうわさされる女性。大きな目に黒のショートヘアのふくよかな美人
◎ルパート・デバルー:英国の首相
◎ビーチャム:政府の財産であるサマルカンドのアミュレットを管理している男
◎ショールトウ・ピン:魔術師。<ピン魔術用品店>のオーナー
◎ジェシカ・ウィットウェル:やり手の女魔術師。ロンドン塔の最高責任者
◎モーリス・シーラー:魔術師。ラブレースの師匠
◎黒いマントの男:あごひげを生やし、マントに身を包んだ謎の男
◎不気味な子どもたち:妖霊を認識できる力をもった少女とその手下の少年たち。正体不明

★魔法&道具★
【魔法~Magic】
☆焼尽の呪文:5か国語からなる15の呪文で作られた複雑な魔法。 命令に従わない妖霊を一瞬にして焼き尽くす。
☆無限の封じ込め:箱やビンなどに呪文をかけ、妖霊を閉じ込める。バーティミアスがもっとも恐れる魔法。
☆宇宙の万力:何重にも巻かれた力の帯で体をきつくしめあげる。呪文を繰り返すとどんどん強くなる。
☆死のコンパス:ペンタクルの5つの点から柱状の電気が発生し、電光となって体を貫く魔法。
【道具~Item】
☆占い盤:磨き上げた青銅盤に、<封じ込め>の呪文でインプを閉じ込め、遠い場所の映像や情報を見ることができる。
☆プラハ・キューブ:下級の魔術師が広めた二流の手品の仕掛け。マイトが1匹といろんな種類の鉱物の粉がつめてある。
☆セブンリーグブーツ:一歩で数キロ進むことができる魔法の靴。
☆召喚の角笛:ひと吹きすれば、その魔術師の力がおよぶ全てのものが足元にひれふして命令に従い、慈悲を請うという笛。
☆留置網:封印の役を果たす網。どんなものもその繭に似たおおいのなかから出ることはできない。
☆アミュレット:受身のアイテム。ありとあらゆる危険な魔法をのみこんだり、攻撃をそらしたりできる。

内容説明

プラハの時代は去り、いまや魔術の中心はロンドン。魔術師たちは、政府の重要なポストを占め、帝国を牛耳っている。魔術師は貧しい家の子どもを弟子にして、悪魔を思いのままにあやつる技を、歳月をかけて叩きこむ。弟子は、親も生まれたときの名も捨て、帝国に貢献する日のために、ひたすら修行にはげむのだった。いま、ひとりの少年が師匠にかくれて寝室の床に五線星を描き、バーティミアスという悪魔を召喚した。彼は御年5010歳。まあ最高ランクではないが、由緒正しいベテランの妖霊である。妖霊界からロンドンの街へバーティミアスを召し出したむこうみずな少年の名はナサニエル。自分をはずかしめたエリート魔術師に復讐を誓っている。なにもかもが新鮮!文句なしにハマる物語が600ページにギッシリ。

著者等紹介

ストラウド,ジョナサン[ストラウド,ジョナサン][Stroud,Jonathan]
イギリス、ベッドフォード生まれ。7歳から物語を書きはじめる。子どもの本の編集者をしながら、自分でも執筆。1999年“Buried Fire”を発表したのち、作家になる。現在は、デザイナーでイラストレーターの妻とロンドン郊外に暮らす

金原瑞人[カネハラミズヒト]
1954年岡山生まれ。法政大学教授。翻訳家

松山美保[マツヤマミホ]
1965年長野生まれ。立教大学文学部英米文学科卒業。翻訳家。横浜在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たるき( ´ ▽ ` )ノ

49
10年くらい前から本棚にあって、何度か読んだものの途中で挫折。はじめて最後まで読んだ!面白かったー!!師匠の最低っぷりに驚かされ、ナサニエルの浅はかさに呆れ・・・だんだんとバーティミアスと息が合ってきて、続きがとても気になるところで終わってしまった。3巻まで持っているので、このまま次巻を読んでいきたい。2018/02/11

みくろ

44
文句なしに面白い。"『ハリー・ポッター』の対抗馬"という訳者の言葉も悔しいぐらいにその通り。とにかく面白いです。プライドが高く頑固で短気な新米魔術師ナサニエルとお調子者で皮肉めいてるがやる時はやる中級魔神バーティミアス。最初はただの幼い見栄や嫉妬が、多くの魔術師を巻き込む壮大な事件に…。魔術師と妖霊の喰うか喰われるかの際どい関係性が刺激的であり、一応児童書という括りでありながら正義より名声というナサニエルの考え方も斬新。バーティミアスの脚注も楽しい。個人的にはパンツの件が最高でした…。あと2作も楽しみ。2016/01/18

Willie the Wildcat

35
若手と大ベテラン。無謀さと経験。直球と変化球。”剛柔”織り交ぜての正義の求道!?背負った運命に葛藤するナサニエル。(自身の未熟さの代償と痛感する)師匠夫妻の死への罪悪感と、重ねた失敗も人生の糧。罪の告白と、アミュレットを差し出す姿勢が”軸”。権力という魔力に打ち克って、軸を大切にして成長して欲しい!とつい願う。興味深いのが脚注。凝ってるなぁ~。特に「***は検閲でカット!?」は笑った!唯一の難点は、通勤の持ち運びがNG!分厚すぎる・・・。(汗)2014/10/05

くろり - しろくろりちよ

24
【購入】『バーティミアス』一冊目。世界感がかなりしっかり作られたファンタジー。「駆け出し魔術師」と「B級魔人」が驚くべき活躍を見せてくれます。完全にハッピーエンドではなく、犠牲になるものがあるところもこの本ではいい所のひとつと言えるはず。バーティミアスの自慢話や、ナサニエルの自信過剰なところも、なんだか人間くさくてプラス要素。二冊目にてさらなる活躍を見るのが楽しみです。2011/06/12

yu

23
ページ数が多くなかなか手が出なかったが、読み進めていると中盤以降に、不意にグッと世界に引き込まれる。物語は新米の魔術師ナサニエルが中級クラスの妖精(ジン)バーティミアスを召喚し、ある魔術師に復讐する物語。流れも良く、ナサニエルとバーティミアスの距離が近付いるのかな?と思うような会話も見ていて微笑ましくなってくる。ナサニエルの成長(変化)も見物。今後どうなっていくのかがとても楽しみ。2017/04/14

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