出版社内容情報
私と弟が迷いこんだのは、微妙なズレのパラレルワールド。同時代のせつないまでのリアルさを軽やかに描き出す長編小説。 小学校高学年~中学生
★ 芥川賞受賞後第一作!!
エリ子は弟ダイゴを捜しに児童公園へ。首尾よくみつけ帰ろうとしたがなぜか家に帰れない。埒があかず元の児童公園へ戻る。再スタート。今度は無事に家に到着。ほっとする二人。が、母はいない。さっき電話にでたはずなのに。翌日学校へ。そこでもおかしなことが。ダイゴはどうやらここは違う世界だと主張。一体どうなっているのか・・・。
エリ子とダイゴの会話が妙に味があっておかしい。POPだけど現実的なパラレルワールドがはじける。藤野千夜の新たな魅力。ちょい不思議な世界。
内容説明
私と弟が迷い込んだのは、微妙なズレのパラレルワールド!?変わらない日常、だけど誰かのいない世界。同時代のせつないくらいのリアルさを、軽やかにつかみとる著者初の書き下ろし長編。
著者等紹介
藤野千夜[フジノチヤ]
1962年福岡県生まれ。千葉大学教育学部卒業。1995年「午後の時間割」で第14回海燕新人文学賞受賞。1998年『おしゃべり怪談』で第20回野間文芸新人賞受賞。第122回芥川賞を『夏の約束』で受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kei
21
え、、、戻れないの?!しかも離ればなれになっちゃってるし。うーん。ファンタジー。カッコ文字がやたら多くて、なんか読むの疲れちゃう… 2018/10/02
zanta
11
90/3/29/2016 不思議な世界を歩く姉弟。弟の姉の評価が面白い。だけど、この展開は好きではない。戻れてこその子供の冒険譚であってほしいから。2016/03/29
かっぱ
4
久しぶりに読み直し。いいお話だと思う。ひとつだけ気がついたのだけど、トリッキーかもしれないけど、親視点で、子離れの本として読むほうが、いい話だと感じるのかもしれない。親はほとんど出てこないお話なのだけど。2014/01/30
roku7777
3
うん、「夏の夜会」はとっても良かったんだけどなぁ。どうも物語が横滑りするんだよ。登場人物も魅力的でないし、会話もだだすべりしているし。ラストも芥川賞作家らしいほったらかしな感だし(そしてそれが別に素晴らしいわけでも面白いわけでもなし)。すまん。2021/03/25
ぺんぎんちゃん
3
ちょっと勝ち気だけど実は繊細な姉と気弱で巨人軍が大好きな弟が迷いこんだのは、現実とそっくりだけど、両親だけがいない街!? なんだかこれって両親に放置される子供の喩え話じゃないよね??と少しゾゾッとした。独特な軽い文体が素敵だ。 物語には関係ないが巻末に載っていた既刊案内もみて、この頃の理論社のya本のデザイン、シンプルだけどお洒落で好きだったなあと懐かしく思った。この本もそうだけど。なんか可愛かったよなあ。2017/09/28