出版社内容情報
天才の弟が4歳から8歳までの間に残していった絵や物語のノートを読み私は考える。それらの命綱をどうして握ってやれなかったのか。 小学校高学年~中学生
内容説明
いなくなってしまった天才少年、家族が受け取った絶望の果てにある魔法。確かにあのこはいたんだ天使などではなく。衝撃的に新しい初の長編小説。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とろこ
62
「弟」は、きっと、頭が良過ぎるだけでなく、感性がとんでもなく鋭かったのだろう。一般的な人々が、成長する過程で、理屈として知っていく知識を、「弟」は、生まれながらにして、感覚的に察知していたのではないだろうか。人間は、こちら側の世界に確固として存在するのではなく、常にあちらの世界と繋がっていて、何かの拍子に、簡単にそちらに行ってしまうということも。はじめから、何やら物悲しい雰囲気で始まり、過酷な出来事もあったけれど、それらを上回る優しさが物語を包んでいたので、ラストには希望を見出すことができた。良かった。2018/11/05
yukision
61
幼い弟がノートに書いた物語を姉が読みながら回想する。象のローリング,仲間を蹴落とすペンギン,嘘のような,ほんとの話(…なのかな)。優しくて寂しくて,切ない読後感なのに,なぜかきらきらした余韻が残る物語。2022/01/05
みずたま
23
いしいしんじさん初読み。荒井さんの装画で気になっていた作品。ブランコのようにゆらゆらと、ふわっとした世界観は好きかも。でも分かるようで、分からない…ちょっとモヤっとした感じ。人は弱くて、強くて、儚い。大人の童話。2015/05/28
mntmt
21
時間の流れ方がゆったりとしたお話でした。荒井良二さんの装画がこの話の空気感をうまく表現してくれているなと思った。2015/11/09
あっちゃん
20
相変わらずの、優しく少し切ないお話!読後は、かなり余韻に浸ってぼーっとしちゃう(*^o^*)いしいしんじさんの作品に出てくる男性は、たとえ子供でも魅力的!2014/01/22