出版社内容情報
綿菓子は口のなかでしゅうっととける。さらっと甘い。ふわふわして、なつかしい。そんな綿菓子を思い出す6章のラブ・ストーリー。 小学校高学年~中学生
内容説明
少女の清々しい視線で切りとった様々な愛のかたち、そして少女の初めての恋。哀しみと安らぎが織りなす6つのラブ・ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
69
愛と恋とは大きく違う。ただ実直に思い続けるだけが最高の愛とは限らない。ドキドキ相手の事を想う恋心。相手の全てが好き。丸ごと受け入れられるのが愛かな~とこの物語を読んで感じました。まだ心が愛だの恋だの穢れの無い真っ白な心で大人を冷静に見つめている主人公みのり。少しずつ心が膨らんでいって悲しいことも嬉しいこともトキメイタこともみんなすべてが素敵な恋愛をする粒子になっている気がする。大人になったら得られない。綿菓子のようなほんのり甘くて幻のような想い。絹子さんとおじいさん、おばあさんの関係が切ないけど憧れる。2013/02/16
めろ
56
文庫で読了済みですが、可愛らしい表紙につられて再読しました。女の子から少しづつ女性に成長していくようすがいとおしくって切ない。大好きな江國さんの文章は何度読んでも心をぎゅっと掴まれる。2014/04/30
mntmt
27
再読。女は、12歳にして、もう女…なんだなあ。2016/09/05
詩 音像(utaotozo)
19
『オズの魔法使い』の翻訳文を除けば、おそらく初江國香織。姉の結婚にはじまり、周囲の大人たちの不可解な行動や違和感、不思議さ等を、小6から中1へと成長してゆく少女の眼を通して描く連作短編集。一つ一つの物語が短く読み易い。物語に入り込んできた時点で潔くスッと一編の終わりが来る感じで、次を読む推進力になり、あっという間に読み切ってしまった。姉の誕生日に必ずメロンを買ってくる父のエピソードが印象的。2020/11/12
じゃすぽ
19
ああ、わかるよみのりちゃん。その女心。その意固地さ。子供は自分の気持ちに素直にしたがって振る舞ってるのに、それを大人はひねくれてて可愛くないとか言うんだよね。素直なのに。最後の次郎くんはいらなかったと思う…苦笑2017/11/07