出版社内容情報
アイヴォリーは生まれたての女の子の幽霊。いろんなことに興味のわく、ちょっと風変わりな幽霊の自分探しと初恋を描く。 小学校中学年~小学校高学年
内容説明
幽霊になってしまってからは、アイヴォリーのほうが美月よりずっとわたしらしいような気がする。もしかしたら、わたしは、美月という貝殻に間違って閉じこめられたアイヴォリー、だったのかもしれない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カヤ
2
お墓にいる幽霊の女の子の話を昔読んだな~と思って、探して再読。冒頭部分の文章がすき。手元におきたい本だけど、古本でしか手に入らなさそうなのが残念。2016/11/09
秋の靴下
1
小学生の頃、何度も何度も読んだ本。大好きで初めて本で泣いた気がする。繊細さと透明感(幽霊含め)あったかさと現実の厳しさ。色んな要素がこの比較的短い一冊に詰まっている。大人になった今もまた何度も読んじゃうだろうな。2017/03/28
ビシャカナ
1
中学生の頃に読んでずっと心に残っていたある種の美しさをまた感じられた。新装版は作品全体を表現しているようだが、こっちの表紙のほうが作品世界の柔らかいものを表現しているようで好きだ。2016/03/24
拳児
1
不思議な読後感の小説。墓場で毎日暮らしている幽霊少女の話。アイヴォリーの身内がお墓参りに来て、アイヴォリーが何かを思い出すのでは?という予想は当たらなかった。ちょっと物足りない。それは私が男だからかも。2011/03/07
高島津諦
1
小学生の頃読み、随分と印象に残った本。14歳で死に、墓地で気ままに暮らす少女幽霊アイヴォリーが、生きた男の子を好きになる話。恋とか愛とかいう言葉は、多分一度も出てこない。もしかしたら(異性として)好き、という言葉も。悲しくはない。切なさも、あまりない。でも全体に儚さが漂っている本。夏休みがやってくる遠い予感みたいな匂い、とか。うすく切ったメロンみたいな色の月、とかの比喩が良い。頻繁に出てくる『高い棚の上にある不安定なガラスの水差し』のイメージは何の暗喩だったのだろう。命? 読んで良かった。2006/09/30