内容説明
初代ロシア領事、ゴシケーヴィチの報告書には、開国間もない日本が生き生きと描かれている。この貴重な記録から、ロシア外交の真実を読み解き、「怖いロシア」というイメージを払拭して、日露関係史に新たな道を拓く。
目次
1 日本との出会い(エキゾチック・ジャパン;『和魯通言比考』;シベリア横断;ナジモフ海軍大尉;絶景)
2 攘夷運動の中で(攘夷;領事館の「不良」たち;サハリン領有への思惑;サハリンの国境画定問題;ライバルの領事たち;紙の国・紙の時代)
3 対馬事件(英国軍艦の動き;対馬の重要性;ロシア側の「戦略」;ロシア対イギリス)
4 移りゆく情勢(二人の皇帝;将軍謁見;なぜ商館だったのか;疲弊する領事;帰国)
著者等紹介
伊藤一哉[イトウカズヤ]
1956年東京都に生まれる。1981年東京外国語大学ロシヤ語学科卒業。1981年北海道新聞社に入社。根室支局、社会部、東京政経部を経て1995年から99年まで、モスクワに駐在。その後、外報部デスク、小樽報道部デスク、報道本部編集委員、同部デスクを経る。現在、北海道新聞網走支局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
1
ふむ2021/06/01
相馬
1
ロシア人の見た日本の風景・風俗かと思ったら,ロシアの日本外交を,初代日本領事ゴシケーヴィチを中心に調べた良書。外交文書の一次資料を丹念に拾っている。英米仏の日本外交のことは比較的よく知られているが,ハリスとかに比べるとゴシケーヴィチなんて全く知られていないけど,いろんな事実や細かい事情が分かって面白い。海軍省と外務省との対立とか。それにしても,ロシアにも橘耕斎という日本人が保護されて働いていたことは知らなかったなあ。2014/11/30
LS
0
ゴシケーヴィチの苦労が報告書の端々から読み取れる一冊。 筆者の資料収集力に感服した。2013/05/31