内容説明
南北朝内乱という未曾有の事件を描いた『太平記』。繰り返される合戦、跳梁跋扈する妖怪、王権の証となる宝物の行方、秩序の回復を模索する仏教界。東アジア世界も視野に収め、変革の時代のダイナミズムに迫る。
目次
太平記とその時代(太平記は「史学に益なし」なのか;太平記の幕開け;建武新政と二条河原落書;太平記後半部の混沌)
1 人と合戦(公家社会と太平記;武家政権の再生と太平記;太平記にみる内乱期の合戦)
2 太平記を支える思想(仏教と太平記;太平記、宋学、尊皇思想;東アジア世界のなかの太平記;太平記と予兆―怪異・妖怪・怪談)
3 軍記太平記の歴史的位置(太平記的なるもの―前太平記と太平記;軍記の転換点としての太平記)