出版社内容情報
★好評増刷
★主な書評
東京(中日)新聞 2008.1.13 読書面 短評
山陽新聞 2007.12.30 岡山ゆかりの歴史書続々刊行(岩崎充宏氏)
宮崎日日新聞 2008.1.6 出版エクスプレス
朝日新聞 2008.1.6 情報フォルダー
京都新聞 ほか 2007.12.23 新刊の本棚
産経新聞 2007.12.1 産経書房(吉川弘文館編集部 伊藤俊之)
内容説明
日本料理とは何か。平安貴族の宴会から庶民の食卓、精進料理、本膳料理、懐石、京料理、菓子と茶の湯まで、日本の料理文化をわかりやすく描く。二人の天才=北大路魯山人・湯木貞一にもふれ、日本食文化の原点を探る。
目次
日本料理とは―プロローグ
日本料理の誕生(平安貴族の大饗の宴;庶民の食卓は一汁三菜;精進料理とは何か)
日本料理の成立(フォーマルな本膳料理;庖丁自慢の男たち;料理の革命―懐石の誕生)
京料理の伝統と創造(料理屋の誕生;京の名物;菓子と茶の湯;伝統と創造)
変貌する日本料理―エピローグ
著者等紹介
熊倉功夫[クマクライサオ]
1943年、東京都に生まれる。1965年、東京教育大学文学部史学科卒業。現在、林原美術館館長・国立民族学博物館名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
12
国際化の進展は日本料理と程遠い物も生み出した。これに規範を設けようとする向きも一部にある。著者はこうした論議への素材として京料理史を採り上げた。まず文化黎明期である奈良期の唐風一辺倒の時代の貴人料理と食卓の様子を説き、更に平安期の国風回帰に至る精進料理、武家の本膳、懐石料理を各々説明する。馬琴の羇旅慢録や、蜀山人、松浦静山等の江戸期京料理評価は興味深い。この中で京都は地理的条件から水は良いが料理の評価は低い。だが近代の運搬保存技術の発達は京都の総合的文化力の発動を促し、結果同地を日本料理の代表に至らしめた2023/11/28
くまくま
9
日本料理とは何か。冒頭にも述べられているがラーメンや焼肉が日本料理かと聞かれるとなんとなく違和感がある。大陸や仏教、茶の湯の影響を受けながら形作られ、生き残った京料理にこそ日本料理、和食文化としての純な姿がある。食文化に触れる中で武士の学芸についても述べられているが、包丁さばき、料理が教養高いものであったというのは知らなかった。2019/11/24
getsuki
8
古代から現代まで日本の食文化について解説した一冊。平安貴族の宴会から庶民の食卓、京料理に至るまで分かりやすくて読みやすい。江戸の食文化の本はたくさん見かけるが、それ以外の時代のものは中々見かけないので嬉しい。和食が世界無形遺産に登録されているが、失われつつある伝統をいかに残していくかが今後の課題ではないだろうか。2015/07/16
アメヲトコ
6
日本料理の歴史を、とくに京料理を中心に概説した一冊。NHKの人間講座のテキストを補訂したものとのこと。原田信男氏の『和食の歴史』と重なる部分もありますが、こちらはこちらで紹介も具体的で読みやすいです。今では最大級の不行儀といっていいご飯への箸の突き立ても、かつては大饗の作法であったとの指摘には驚き。2017/05/09
gotomegu
4
松本本をめぐる旅、松本十帖。日本料理って何だ?縄文から遡って膳を使った宴会料理、茶会の懐石料理、京料理へ。旅館の晩ごはんは、今でも継承されていいて、すごい。一般庶民の料理は扱っていないので、モヤモヤが残った。外国人にも人気のラーメンや寿司、日常でなじみのある蕎麦やうどん、カレーライスなどについても知りたかったのにな。2024/01/13