内容説明
毎日使っているのに、ほとんど知らない“紙幣”の歴史。“お札の顔”が語りかける紙幣と肖像をめぐる物語!
目次
紙幣や銀行券に肖像を使用するのはなぜか
貨幣の始まりと遅れて登場した紙幣
肖像のなかった明治初期の官省札
龍や鳳凰が舞う新紙幣(ゲルマン紙幣)
近代的銀行券の先駆け・為替会社札と国立銀行紙幣(旧券)
初めての洋式国産紙幣の人物像
改造紙幣・神功皇后札発行
日本銀行の創設と兌換銀券「大黒札」の製造
改造兌換銀券の製造
金本位制下での甲兌換銀行券の発行〔ほか〕
著者等紹介
植村峻[ウエムラタカシ]
昭和10(1935)年生れ、昭和33年東京都立大学法経学部卒業。同年大蔵省印刷局に入局、印刷局業務課長、総務課長、小田原工場長、滝野川工場長、製造部長、業務部長歴任後、平成6年に退職。全国官報販売協同組合専務理事、(財)印刷朝陽会専務理事勤務後、お札と切手の博物館顧問、現在は一般財団法人・印刷朝陽会事務局長・調査研究部長。紙幣及び紙幣・切手印刷研究家、国際貨幣博物館協会ICOMON会員、IBNS会員、通貨に関する歴史及び現代の紙幣印刷技術に関する調査研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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それん君
4
神功皇后がなんで西洋っぽい顔立ちなのか縄文系だからとか勝手な想像をしてましたが、日本人が描いてなかったなんて!2017/01/18
onepei
2
軽く触れられていた、昭和19年あたりから敗戦後のインフレを見越して高額紙幣を刷って保管しておいた、という話が特に印象深かった。2015/07/05
wang
1
日本で過去現在発行された紙幣の歴史。主に肖像画に着目して述べているが、それだけではない。紙幣発行の時代背景や、印刷技術・偽造対策、肖像人物が採用された経緯やどういう人物だったか。さらにそのほかの画像や文様なども詳細に。E券(福沢諭吉、樋口一葉、野口英世)までだが、次回採用の渋沢栄一も戦後すぐの改定時に候補にあがっていて、登場人物のバリエーションはそれほど多くないのかなと感じた。カラー写真も沢山あって面白い。お札っぽいデザインってこんなのだなあと思う点もあれば、なんか違うと感じる者もある。2020/08/14
Shun Kozaki
1
ずっと読みたかった本だが、図書館で見つけて一気に。 最初に、紙幣肖像がもつ意味と、日本の紙幣肖像の独自性について触れているところなど、紙幣を単なるコレクション対象として捉えたのではなく、学問的位置付けをちゃんとしていて偉いと思う。 ただまあ数点。 大蔵卿札20・50銭や大正少額紙幣など、「肖像」にこだわったために特に後者の位置付けなしに論が展開されている点がやや粗い。金融恐慌で肖像なしの乙200円券が出された辺りにつながるので、これは必要。 政府紙幣の位置付けをもう少し説明すべきだとも思う。2018/07/19