内容説明
源頼朝によって樹立された鎌倉の武家政権は、承久の乱を経て京の公家政権を凌駕するまでに成長する。日本の中世が形作られる、この時代の政治・社会・文化・宗教等の動きを京と鎌倉との二つの王権という視点から描く。
目次
京・鎌倉の王権
1 武家政権と幕府論
2 御家人と荘園公領制
3 鎌倉仏教の特質
4 王権と美術―絵巻の時代を考える
5 女たちから見た中世
著者等紹介
五味文彦[ゴミフミヒコ]
1946年山梨県生まれ。1970年東京大学大学院修士課程修了。現在、東京大学教授
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感想・レビュー
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だまし売りNo
24
武家政権と高麗の武臣政権を比較しており、視点が斬新である。日本史も日本で閉じていない。 2022/09/29
rbyawa
1
f133、もともと鎌倉時代において京都と鎌倉がわりと交流が盛んということは聞いていたものの、これはどちらかというとどちらに実権かあるとも言い切れないみたいな構造? 前から少し南北朝時代への流れというか区切りがわからなかったものの、そもそも権力構造が「二分していった」ということだとわかりにくくなるのも仕方ないのか。それと気になるのが鎌倉と東国武士との関係、思ったよりも自由度が高いというか対等に近いような関係性らしい。地方の統治に関しても宗教と民衆の関わり方にしても変化していく時代か。もう少し詳しく読みたい。2015/05/28