内容説明
自己意識や自己イメージは、社会の中で、他者とのかかわりを通して形成され、社会や他者とのかかわりの中で絶えず変化していく。「社会現象」としての「私」に着目し、社会学的アプローチの魅力を明らかにする現代的テキスト。
目次
1部 「私」を社会学する(認識する私;期待される私;演じる私;感じる私―感情の社会学;物語る私;意味を求める私;私を変える)
2部 「他者」とのかかわり(親密なかかわり;電子メディア上のかかわり;ヴァーチャルな他者とのかかわり―模倣という快楽と自己承認;“視線”としての他者―ファッションをめぐって;かかわりの病理;「異質な他者」とのかかわり;ボランティアというかかわり)
著者等紹介
井上俊[イノウエシュン]
甲南女子大学教授
船津衛[フナツマモル]
放送大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
17
年を跨いで読了し2019年初のレビュー。自己と他者、個と社会の関係というのは社会学の根源的なテーマで、多分最も面白い部分。それを堅苦しくなく分かりやすくまとめて読める。2部に分かれていて1部が社会学の関連理論のまとめ、2部が現代日本の課題への応用のような構成。もっと登録数が伸びてほしい本。2019/01/04
テツ
13
自己と他者。自己と社会。それぞれの関係性について考える。若いときにハマりがちな、自己評価と社会から自分への評価との隔たりに悩んだときにこそ社会学的なものを学ぶとよいのかもしれない。個人が社会とどう対峙していくかということと『わたし』が社会とどう対峙していくかということは似て非なるものだけれど、それを学ぶうちに自分自身の身の振り方もぼんやりと確立され、いわゆる処世術というスキルも研ぎ澄まされていくと思うのです。嫌でも死ぬまで社会と関わらなくては生きていけないのだから、そのシステムについて考えてみた方がいい。2021/05/14
coaf
7
入門書。内容は薄っぺらいが、概説的な役割を果たしてくれた。文献探しに役立った。2012/08/16
multi_b
1
自己物語の話が印象的だった。自己の物語にこだわる必要はない。そうかといってすぐさま別の物語に乗り移ることはできない。なぜなら、強い思いや、思いに関係なく学習されていることがあるから。アクセプタンスコミットメントセラピーの脱フュージョンにつながる話だと思った。2016/10/26
DJ MaRLy`n
0
社会学的な内容を日常的な事例を含みつつ分かりやすく説明してあり良書でした2013/04/13