内容説明
最新の核医学・画像診断学に挑む科学者が、徹底的な分析・解析の末に見たものは何か。末期癌患者のケアをめぐり、ユング派心療内科医と、科学・技術・人間性を統合する新しい医療者像を語る。
目次
第1章 患者と医師―東大病院放射線科でのターミナル・ケアの経験から(ポックリ死よりは癌の死を;心にのこる死―布施聡子さんの最期;モルヒネを見なおす;人間の死に方)
第2章 画像医学とユング―「イメージング」での出会い(画像診断とは何か;精神活動の神秘を視覚化する;科学と人間の関わり;ユング思想の現代的意味)
第3章 科学と神秘―ニュー・サイエンスと医療(サイエンティフィック・メディスンを超えて;男性原理と女性原理―キューボラ・ロスの世界;ホログラフィと医学;ニュー・サイエンスと宇宙;ホリスティック・メディスン;ホログラフィック・パラダイム;いかなる医師をめざすか;宗教と医学)
第4章 生と死―死を前にした癌患者の生き方(癌告知;死にゆく人々の尊厳;工学的な医療観の克服;人間の四つの痛み;患者と痛みを共有できるか;死の心像)