内容説明
魅力的な演奏の「音楽構造」を知る。コンピュータ科学は法則どおりの知的な音楽表現を可能にする…筑波大学、大学院での17年間、のべ80人余の論文指導の集大成。
目次
第1部 演奏の揺らぎと抑揚(同じ3拍子のワルツでも;機械的な演奏にも意外な魅力が)
第2部 美しい演奏を分析する(ブーニンの秘密;ブーニンの超絶技巧 ほか)
第3部 美しい演奏を創る(ラフォーレの演奏したモチーフを拡大すると;抑揚パターンで弾くモーツァルトのソナタと「英雄ポロネーズ」 ほか)
第4部 美しいアンサンブルを創る(コンピュータの伴奏と歌曲表現;セレナーデと連弾ソナタ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T2C_
2
コンピュータ科学の面から演奏を見つめる一冊。どうすれば計算機に人間のような演奏をさせることができるかを、様々な観点から問題提起し、それを研究した結果も載せている。音楽的な素養がゼロに近い自分にとっては譜面と字面の擦り合わせに苦心したが、それでも得ることは多かった。例えば美しく聴こえる高低の音量比や、モチーフには(観測範囲内では)5パターンしかなかったことや、演奏を美しくするための8要素、それによると打鍵の強弱より時間的伸縮の方が圧倒的に演奏に響くことなどは非常に面白く今後の鑑賞や考察に活きる気配があった。2016/06/13
もっち
0
2000年発行だが、副題に「人工知能が創る音楽」とある。作曲ができるAIのはしりかもと思い読んでみた。読んでみると、これが発展すると初音ミクの発音法に通ずるのかもなど、現在に繋がっていそうな興味深いところがところどころある。 ただ、内容も書き方も癖がある上に、小話があちこちに多過ぎ&散らばりすぎて、本当にこの本読みづらい!もっと読みやすい構成にできただろうにと、そこは残念。2019/10/24