• ポイントキャンペーン

生と死のミニャ・コンガ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784635171533
  • NDC分類 786.1
  • Cコード C0075

内容説明

アタックに挑んだ8人の仲間が、目の前から忽然と消えた。クレバスに堕ち、死を覚悟したものの、著者はかろうじて生還する。13年後、友人が4遺体を氷河で発見するが、友もまた消息を絶ち、氷河に消えてしまう。死を悟り生を知ったミニャ・コンガの20年―。「魔性の棲む山」に逝った仲間たちへの鎮魂の物語。

目次

序章 未踏のミニャ・コンガ北東稜
第1章 十二人の第一次登頂隊
第2章 悲劇の始まり
第3章 行方不明となった四人
第4章 はかない命
第5章 雪に消えた遺体
第6章 山の神「薬王」
第7章 生きる理由
第8章 遺体収容
終章 死者の魂

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

moe

4
同じパーティの仲間が自分の目の前で滑落していくのを目撃した作者。その事故から15年の歳月の間の作者の心の軌跡を実直に語っています。人それぞれの事実の受け止め方とその後の生き方に考えさせられました。単なる遭難のドキュメントに終わらない重みのある一冊でした。2011/01/09

yuji

3
1981年ミニャコンガの頂上直下で8人の滑落遭難を出した。1人の滑落後、下山中にザイルにつながった7名が誰かの滑落に引きずられ著者の目の前で発生した。1994年にも福沢ら4名の遭難者を出した。著者は不安を抱きつつも出発を見送った。いずれも北海道山岳連盟隊からである。いずれも隊長の技量を疑う。後者は強い隊が組めなかった時点であきらめるべきだった。隊長の古い価値観、経験主義が状況判断を誤る。残された隊員は贖罪を背負って生きている。生きたから家族を持てた。遺族との交流は死んだ隊員にもあった未来を見せるために。2021/12/26

ふたば@気合いは、心を込めて準備中

3
ミニャ・コンガで起きた2つの遭難事件。どちらも力量不足、判断力の低さ、高所に対する知識不足が原因であると思われる。一人が転落する。何故転落したのかはわからない。そして、続いて7人が一本のザイルにつながったまま声もなく、雪面を滑り落ちていく。著者の目の前での事だ。誰が最初に転倒したのか、滑ったのか、永遠の謎となったが、きっとそれで良かったのだろうと思う。「犯人」捜しは誰の幸せにもつながらない。「犯人」の遺族は苦しみ、他の遺族は持つべきでないと解っていても、心に澱をためてしまう。2018/10/19

renren

3
この本は「登山(遭難)記録」「山岳ドキュメント」ではない。登山や遭難の経緯について詳細に著述するための本ではなく,「仲間の死をその目で見た者」「死の運命を間一髪で免れた者」がどの後どのようにその事実を,己の生を受け止めて生きていくかについての極めて真摯なドキュメントだと思う。登山の筆者の真摯さ,遺族や仲間や友人に向ける心の優しさには胸を打たれる。身近に人の死を経験した人にも読んで欲しい。2009/12/24

(まだない)

1
一時は世界最高峰とされていたというチベットの貢嗄山。1981年に日本隊初登頂を目指して挑んだ著者の目の前で8名が滑落死。高度順応の手順や全員登頂を目指して大勢で一気にアタックなど、マネジメントに問題があったようだ。著者はこれがトラウマになり遺族を伴い慰霊にしばしば麓を訪れる。生きて帰ってこそ登山、と現在では雪崩事故防止研究会を立ち上げて雪崩から身を守る啓蒙活動を精力的に行っている。解説は翌年同じ山で遭難し奇跡の生還を遂げた松田宏也。お互いの文庫版の解説を書きあっている。(2020/9/17読了)☆2.5点2020/09/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/32147
  • ご注意事項