内容説明
「何の補償もない」「賠償はすべて解決ずみ」―アジアの戦争被害者と日本政府の主張は、いまも食い違っている。中国侵略から敗戦までの日本軍の行動に、被害者が補償を求めている。その裁判は七〇件近くにおよぶ。アジアの人たちは何を訴え、どのような主張をしているのだろうか。本書は、裁判で問われた問題点をまとめるとともに、被害者の「声」を伝えようと心がけた。その「訴え」は、戦後の日本とアジアの関係を考えるうえで、欠くことが出来ないものだからである。
目次
1 今も続く補償問題
2 日本政府の言う「解決済み」の賠償とは
3 植民地出身者に対する差別的取り扱い
4 強制労働に対する補償問題
5 裁かれた「慰安婦制度」
6 戦後補償裁判をめぐる新たな動き
著者等紹介
内海愛子[ウツミアイコ]
1941年生まれ。早稲田大学文学部(社会学専攻)卒業。在日朝鮮人などマイノリティの人権問題に関心をもって活動・研究。現在、恵泉女学園大学教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
7
ほんとに、日本政府が姑息すぎて、もう…2023/07/28
のの
6
再読。2014/11/04
紙魚
3
帝国臣民として働いた朝鮮人、台湾人をないがしろにしすぎだ。金のなかった頃は苦し紛れに逃げたにしても、もう豊かになっているのだから、けちらずに賠償してほしい。そもそも、共栄をかかげていたのだし。著者の意見は日本への糾弾が基調にある。戦争への過程は物の本にあまた書かれているが、敗戦ですべて終わるわけもなく、片付かぬ禍根の歴史にももっと関心をむけるべきか。2009/03/25
W.S.
0
拾い読み。2023/08/03