内容説明
この２０年間の中国の変わりようや経済成長を誰が予測できただろう。貧しさと圧制に沈んでいた中国が「二十一世紀のスーパーパワー」になるという。だが、変わる中国の陰には必ず変わらない中国がある。変わるときほど「変わらない中国」をみつめなければならない。毛沢東時代が残したものを忘れてはならないし、党・国家・軍の三位一体も依然堅固のようにみえる。そのなかで「近代化」の未来はあるのかを展望するのが本書のねらいである。
目次
中国の三つの顔
改革開放時代の政治プロセス
中国の政治体制と国家制度
近代化は実現できるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
3
1999年発行で、その時点での中国の政治構造と諸問題。中国が爆発的な経済成長を遂げる前の本で、著者は90年代の「経済の季節」から00年代は「政治の季節」に移行するだろうと述べている。この予測は結果的には外れたわけだけど、でもそれは要するに90年代の時点で抱えていた問題を全部棚上げにして経済最優先でここまできただけであって、結局なんの解決にもなってないってことなんですよね。次の十年、果たしてこの体制で持つのだろうか。2012/11/10
