内容説明
幕末維新の動乱、震災、戦争により日本の風景は一変した。日本の初期写真が写した150年前の人びとの暮らしと生活、そして日本各地の風景は、現在はない。「記憶」から「記録」へ、それ故に古写真は貴重な歴史資料である。飴細工、スイカ売り、指物師、食事の支度をする人たち、松島、鎌倉、中禅寺湖、有馬温泉、伊勢神宮ほか。
目次
カラー特集 写真で見る幕末・明治
150年前の日本のすべて(モノとしての初期写真―幕末~明治中期に制作された写真の所蔵調査について;海外に流出した日本の初期写真;風景写真を読む―江戸から東京へ;幕末維新の古写真から読み解けるもの―軍事史情報を一つの例として;服装から見る幕末明治の写真;文明開化とともに花開く近代の装い)
風俗と職人たち
女たちと生活
日本各地の風景
著者等紹介
小沢健志[オザワタケシ]
大正14年(1925)生まれ。東京国立文化財研究所技官、九州産業大学大学院教授などを経て現在、日本写真協会名誉顧問、日本写真芸術学会名誉会長。東京都歴史文化財団理事。1990年に日本写真協会賞功労賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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真香@ゆるゆるペース
137
図書館本。幕末から明治にかけての人物・建築物・風景の古写真集。どの写真も味わい深くて本当に素敵だった!カラー化された写真からは、当時の雰囲気がより鮮明に伝わってくると同時に人の息遣いまで聞こえてくるようで、親近感が湧く。女性は現代でも通用するような顔立ちで、思わず見とれてしまう可愛さと美しさ。150年というと75歳の人の2人分、個人的には長いようで意外と短いと思っているので、アナログの時代から現代までの変遷ってものすごく速かったんだなと感じた。2020/07/29
ばう
60
150年前の日本の風景や人々を写した写真の数々。教科書でしか知ることが無かった世界がこうして写真で見ると人々は服装は違えど現代の人と同じに見えます。それくらい鮮やかに表情が写し出されているのが凄い。みんな目に力があって生き生きとしていて今にも動き出しそう。そして当時の日本はどこもとても整然とした町並みで通りにはゴミ一つ落ちていなくて美しい。女性の髪型も興味深い。日本髪といってもこんなに沢山の種類の髷があったのね。一番衝撃を受けたのは西瓜売りや笊売りなど物売り達の姿。絶対現代人より身体能力が上ですよね。2020/12/29
ブルちゃん
35
写真と写真の題名のみ読了。なんでも棒にぶら下げるんだなあ。2024/01/22
金吾
27
当時の風俗が写真から伝わりなかなかいい感じでした。内容も興味深くシリーズみたいですので他の本も探します。2023/04/30
バニラ風味
16
幕末から明治までの人物写真に始まり、風景、建物、人々の暮らし。特に、興味深かったのは、女性の服装と髪型、そして、彼女らの少し憂いを帯びたキマジメな表情。写真に写っている人たちは、自分たちの写真が150年後、こんな風に本に掲載されるなんて、思いもしなかったでしょう。何気ない写真からも、その時代の背景が感じ取られ、西洋の文化が少しづつ入って来て、日本人の暮らしが激変していく過程がよくわかる。昭和や平成という時代も、ずっと後世になった時、「昔、この時代はこんな風だったんだね」と言われるようになるのかも。2015/06/04