ポイエーシス叢書<br> よりよき世界を求めて

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ポイエーシス叢書
よりよき世界を求めて

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  • サイズ B6判/ページ数 383,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784624932305
  • NDC分類 133.5
  • Cコード C0310

出版社内容情報

批判的合理主義の巨人の思想をコンパクトに示した16の講演・エッセイ集。知識について、歴史について、その他の主題をめぐるポパー思想の形成と発展を如実に示す思想的自伝。

内容説明

批判的合理主義の巨星、カール・ポパーの思想的エッセンスを集約しそのパースペクティヴを与える講演・エッセイ集。ここには知識について歴史についてその他さまざまなテーマについて折りにふれて探究された十六篇の講演とエッセイが有機的に配列されている。知識人や科学者のありかたをめぐって現代世界に向けて鋭い批判の矢を放つポパーの精神が躍動する。

目次

第1部 知識について
第2部 歴史について
第3部 最近のものから…これやあれ、さまざまなものから摘みとられた

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

長谷川透

18
物質的事物の世界を世界1と定め、経験的体験的世界を世界2と定める。この2つの世界の中間的な存在、媒介的な世界として世界3がある。経験的世界を物質的事物に書き込むことで生まれる世界、即ち書物の世界が世界3である。ポパーほどの知識を有し読書経験を持つ知識人と言えばボルヘスくらいしか思い付かない。乱暴に言えば知の再編を行った点で両者は非常に似ていると思うが、ボルヘスが寡黙に書物を書いたのとは対極的に、ポパーは知識人たることの覚悟と使命を声を大にして唱えた。よりよき世界を求めて、とは彼の覚悟を端的に示した言葉だ。2013/08/13

魔魔男爵

2
名文引用:1979年ザルツブルグ音楽祭オープニング講演「実際に過去の偉大な芸術家たちもそのようにしました。わたくしが思い浮かべているのはゴヤやケーテ・コルヴィッツです。社会に対する批判は必要であり、衝撃的であるべきです。しかしそのような芸術が真に意味するところは、悲嘆であってはならず、苦悩を克服するための呼びかけであるべきです」:講演集だが、ポパーの数少ない芸術ネタが読めるレア本。音楽祭なのに画家のゴヤを出すポパーの見識はやはり世界一の哲学者ですな。語る価値のないものなんて語る必要なし。『美術の物語』の友2017/04/24

roughfractus02

2
仮説が適用可能な状況が持続すれば法則や規則となるが、その例外は新たな仮説の可能性を含む。こうして超越性を排した仮説演繹のサーチライトは未知なる未来に向かうが、それは過去のデータをバケツに入れて過去の既知の鏡像のように投射する帰納推論的な未来ではない。ここから著者はダーウィニズムを単一過程のリニアな進化から解放して「状況」の論理という変異を中心にした非決定論として捉え直し、従来の心身二元論や言語三機能説を再考して三世界論と言語四機能説を生み出した。このハードな議論を、書物や音楽で身近に語るのが本書だろう。2017/02/24

代理

0
違う考えの人が居て、自分の意見を批判してくれるってのは、いいことなんだなと思った。2009/04/08

yuki

0
相変わらずポパー先生の楽観主義はイイ。「あらゆる知識人には、まったく特殊な責任があります。」の典拠2008/05/27

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