出版社内容情報
〔子供、コンピュータ、そして強力なアイディア〕MIT人工知能研究室でロゴプロジェクトを率いる著者が、ロゴの教育理念とコンピュータによる子供の創造性開発の可能性を語る。
内容説明
子供とコンピューター。「ロゴ」の生みの親パパート博士が語る「ロゴ」言語の世界。
目次
序章 子供のためのコンピューター
第1章 コンピュータとコンピューター文化
第2章 数学恐怖症:学ぶということを怖れる
第3章 タートル幾何学:学習のためにつくられた数学
第4章 コンピューターの言語と人間の言語
第5章 マイクロワールド:知識の培養器
第6章 頭に入る大きさに砕いた強力な概念
第7章 ロゴの根源:ピアジェと人工知能
第8章 学習する社会というイメージ
終章 数学的無意識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
3
ピアジェは自然に身につく学習と学校で学ぶ必要のある学習を分けた。著者がピアジェの分類を変更するのは、その前提の具体的なものを形式化する従来教育の環境に、形式的なものを具体化するコンピュータが加わったからだ。正解/不正解で進む教育が失敗を恐れる子供を作るなら、間違いを修正するプログラミング的教育は失敗を恐れない子供を作る。自ら開発した言語LOGOやLEGO社のブロック玩具マインドストームを例に新たな教育を示唆した本書(1980刊)は、これからプログラミング言語を義務教育に導入するこの国ではまだ古典ではない。2018/09/03
Sanchai
2
【図書館】パパートの「構築主義」を語るなら、読んでおかねばならない原典(二次引用なら、『作ることで学ぶ』でそれなりの要約がされている)。子どもたちがそれなりに没頭して直接的にかかわった遊びの経験が学習効果の最大化につながるというのは、今の「探求型学習」でも言われているポイントで、それを1960年代に気づいてプログラミング言語LOGOの開発で実践につなげていた著者の先見性を感じる。「何も教えない、ただ挑戦させる」という姿勢が教師には求められる。2022/09/28
恋
0
画面上のタートル(亀)を命令によって動かし絵を描く「LOGO」というプログラミング言語を開発・研究する著者が、LOGOの紹介とともにコンピュータを用いた教育の持つ力とそのあり方について論じている。研究の中で子どもは、コンピュータを使って学ぶことでデバッグや関数(手順や技術のモジュール化)、そして基礎的な数学などの強力な概念を学ぶ。コンピュータの素晴らしいのは、前述した概念のような形式的なものを具体化し、私的なものにする力があることだ。コンピュータは我々に考え方について考えるための新しい言語と概念を与える。2017/08/23
doji
0
言語としてのプログラミング、そしてコンピュータという考え方に惹かれる。コンピュータにしか生まれない考え方というのはあるのだろうし、思考と言語の関係についてより知りたくなった。2015/06/15
jiroukaja
0
教育と環境、コンピュータ普及の本。2014/07/20