出版社内容情報
国家は越境を試みる人々をどう制御するのか――
人の越境に関与する国々が置かれている立場や状況の多様性と、当事国間の流動的な関係性を捉えるための視点を提示する。
今日、世界における移民、および国内避難民を含む難民の数は歴史上最多に達している。これに伴い、人身取引、密入国、不法就労、移住労働者の搾取や人権侵害といった諸問題が深刻化している。これらの解決には、多国間かつマルチステークホルダーの連携に基づくガバナンス構築が求められるが、国境管理や入国審査を専権事項としてきた国家はそれに抗っている。本書は、人の国際移動をめぐる緊張関係を概念と事例の双方から論じる。
内容説明
国家は越境を試みる人々をどう制御するのか―人の越境に関与する国々が置かれている立場や状況の多様性と、当事国間の流動的な関係性を捉えるための視点を提示する。
目次
移民をめぐる秩序形成とガバナンス構築
第1部 秩序形成をめぐる国際的動向(移民政策の再編―国家・市場・市民社会;人の国際移動に対する政策的管理―実効性と限界;高度人材の国際的誘致―制度と環境)
第2部 アジア諸国・地域の情勢分析(アジアの「先進」事例―シンガポール;人材誘致政策とそのジレンマ―シンガポール;外交資源としての外国人労働者―台湾;東アジア後発事例―台湾・韓国・日本;国際労働力移動における送出国―インド;ITワーカーの越境―インド・アメリカ・日本)
著者等紹介
明石純一[アカシジュンイチ]
1972年生まれ。筑波大学大学院国際政治経済学研究科博士課程修了。博士(国際政治経済学)。現在、筑波大学人文社会系准教授。法務省難民審査参与員(2015年~)、同第七次出入国管理政策懇談会委員(2016年~)、内閣官房第三国定住による難民の受入れ事業の対象の拡大等に係る検討会有識者メンバー(2018年~2019年)、法務省収容・送還に関する専門部会委員(2019年~2020年)などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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