エコラリアス―言語の忘却について

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エコラリアス―言語の忘却について

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  • サイズ B6判/ページ数 325p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622087090
  • NDC分類 801.01
  • Cコード C1010

出版社内容情報

子どもが言葉を覚える時に赤ちゃん語を忘れるように、忘却は創造の源である。流離こそが言語の本質だと明かす、言語哲学の最重要書。子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように、言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。そして、忘れることは創造の源でもある。
言語の中にはつねにもうひとつの言語の影があり、失われた言語が響いている。言語の崩壊過程に言語の本質をみたヤコブソン、失語症を考察したフロイト、複数の言語を生きたカネッティ、死んだのに語る口を描いたポー、母語についてはじめて語ったダンテなどを導きに、忘却が言語の本来もつ運動性であることが浮上する。
アガンベンの英訳者として知られ、30代で本書を著し、恐るべき知性として話題を呼んだ、ヘラー=ローゼンの主著。流離こそが言語の核心であることを明かす、言語哲学の最重要書である。

第一章 喃語の極み
第二章 感嘆詞
第三章 アレフ
第四章 消滅危惧音素
第五章 H & Co.
第六章 流離の地で
第七章 行き止まり
第八章 閾
第九章 地層
第十章 地滑り
第十一章 文献学の星
第十二章 星はまた輝く
第十三章 ニンフの蹄
第十四章 劣った動物
第十五章 アグロソストモグラフィー
第十六章 Hudba
第十七章 分裂音声学
第十八章 アブー・ヌワースの試練
第十九章 船長の教え
第二十章 詩人の楽園
第二十一章 バベルの塔

解説 ダニエル・ヘラー=ローゼンとは何者か?
訳者あとがき
原註
参考文献
索引

ダニエル・ヘラー=ローゼン[ダニエルヘラーローゼン]
著・文・その他

関口涼子[セキグチリョウコ]
翻訳

内容説明

子どもは言葉を覚えるときに、それ以前の赤ちゃん語を忘れる。そのように、言葉はいつも「消えてしまった言葉のエコー」である。そして、忘れることは創造の源でもある。言語の中にはつねにもうひとつの言語の影があり、失われた言語が響いている。言語の崩壊過程に言語の本質をみたヤコブソン、失語症を考察したフロイト、複数の言語を生きたカネッティ、死んだのに語る口を描いたポー、母語についてはじめて語ったダンテなどを導きに、忘却こそが言語が本来もつ運動性であることが浮上する。アガンベンの英訳者として知られ、30代で本書を著し、恐るべき知性として話題を呼んだ、ヘラー=ローゼンの主著。流離こそが言語の本質だと明かす、言語哲学の最重要書である。

目次

喃語の極み
感嘆詞
アレフ
消滅危惧音素
H&Co.
流離の地で
行き止まり

地層
地滑り
文献学の星
星はまた輝く
ニンフの蹄
劣った動物
アグロソストモググラフィー
Hudba
分裂音声学
アブー・ヌワースの試練
船長の教え
詩人の楽園で
バベル

著者等紹介

ヘラー=ローゼン,ダニエル[ヘラーローゼン,ダニエル] [Heller‐Roazen,Daniel]
1974年生。プリンストン大学教授。アガンベンの英訳者として知られる。仏・伊・独・西・露語、ラテン語・古典ギリシャ語・ヘブライ語・アラビア語に通じ、哲学・文学・歴史学・認知科学・言語学を鮮やかに論じる

関口涼子[セキグチリョウコ]
1970年生。作家。日・仏語で創作を行い、『陰影礼賛』の仏訳者としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

59
哲学や文献学の論文など多様な資料を繙いているにも関わらず、言葉に関する美しい散文を読んでいるよう。この本が語るのは、発音されない文字(黙字)が示すものや言語の死を巡る考察、忘却について。このなかで形成と変形、発生と衰退、忘却と記憶は分かちがたく結び付いていて、私たちは忘却とそれに伴う絶え間ない変化の中に生きていることを実感するばかり。でも忘れてしまったものすべてが失われてしまうわけではない。消失することで繋がっているもの、その「忘れえぬもの」への郷愁が、この本の詩のような美しさを支えているのだと思います。2018/11/22

三柴ゆよし

31
これは、特に第三章「アレフ」は、ボルヘス以上にボルヘスだ、という友人の言を信頼して読みはじめたところ、想像していたよりもずっとボルヘスだった。それゆえ私は、二十一の断章からなるこの書物を、学術書というよりは、「言語における忘却と谺」という通奏低音に導かれた、一冊の短篇小説集として玩味した。言語学、歴史学、文献学、文学、精神分析学、哲学など、ありとあらゆる人文知を縦横断する博覧強記(しかも著者自身が十か国語を操るポログリット)によって考察される言語以前の言語、あるいは言語以後の言語のイメージは無類に美しい。2019/05/22

内島菫

31
「あらゆる言語は、(・・・)同時に「最初」であり「二番目」なのだ」(「第16章Hudba」より)という言葉は、私たちが原本のないコピーであることと相似をなし、始まりも終わりも知らない忘却/記憶を浮かび上がらせる。そういう意味で、言語について考えることは夢について考えることに近い。何とか思い出され、話されたり記述されたりする夢は、文献学で*(アステリスク)をつけられた語根のようだ。2018/12/19

春ドーナツ

19
表題は谺する言語と訳されている。幼き子らの話す言葉を喃語(なんご)という。へえ。謎めいたモンテ・クリスト伯爵みたいな文章の佇まい。めくるめく魅惑の世界だった。解説の表題が私の気持ちを代弁しているようだ。「ダニエル・ヘラー=ローゼンとは何者か?」宝石のように散りばめられた発音記号。字面から想像できそうで、やっぱりわからない半開鼻母音、舌背軟口蓋音などの表記。それらを目で追っていると、言語学の本(を超える何か)なのに、小川洋子ワールドに迷い込んだ如く不思議さに満たされる。言語は宇宙空間を満たす量子の揺らぎだ。2018/11/30

田氏

18
幼児の喃語は、一言語にいちどきには存在しないほどの多様な発音を持つが、言語を獲得するにあたり、その能力のほとんどが失われるという。そんな話から始まるとおり、本書は忘却、喪失、欠落の観点から「言語」を再確認する。無学者にとっては難解なところもあったし、濃くてキメの細かい文章は体力を消耗するけれど、おもしろい。言語の発生って胎児の指がアポトーシスで形成されていくのに似てるな、とかイメージしていたら、たちまち「言語に対し、生物的メタファーはそぐわない」みたいな記述に諌められてげんなりしたのは、まあおいておこう。2019/01/23

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