原理―ハイゼンベルクの軌跡

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  • サイズ B6判/ページ数 192p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086109
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

出版社内容情報

不確定性原理を発見した物理学者に魅せられたゴンクール賞作家が、現代の希望や苦悩を彼と共鳴させる。詩的隠喩にみちた理系小説。「その秘密の場では、それはすでに場でさえないのだが、矛盾が矛盾でなくなり、同時に、図というものが、なじみぶかい触感とともに消えうせる。人間の言葉がえがける世界は、あとかたもなく消えうせ、あるのはただ、無言にして有無をいわせぬ、色彩のない数式、不動の行列力学の抽象的な壮大さで、その想像をこえる美しさは、あなたの目に見抜かれるのをずっと前から待ちつづけていたのだ。」

1920年代、それまで不動のものとされてきた古典物理学の理論と相反する現象がつぎつぎと見つかり、盛んな論争が展開されていた。そこに「不確定性原理」をもって登場した若きハイゼンベルクは、量子力学の確立への功績でノーベル物理学賞を受ける。「あなたは何気なくポケットに両手をつっこみ、色彩のない空を前にして、無用にして感動を禁じえないほどの若さを保ったまま、可能と現実のはざまに立っていた。」しかし、その後の現実世界は、ナチスの台頭、戦争、アメリカによる原爆投下にむかって進んでいった。
量子力学に魅せられたゴンクール賞作家が、過去と現在を往還しながら、言葉にするのが困難な世界のうちに、これまでにないハイゼンベルクの姿を幻視する精密な小説。

位置
速度
エネルギー
時間

著者覚書
訳者あとがき
本書の人物

ジェローム・フェラーリ[ジェローム フェラーリ]
1968年パリ生まれの作家・翻訳家。両親ともフランス南部コルシカ島の出自。パリ第一大学で哲学教授資格を取得後、コルシカ島の高校で哲学を教えるかたわら同島バスティアで哲学カフェを主催。以後、アルジェ(アルジェリア)やアジャクシオ(コルシカ)で2012年まで、アラブ首長国連邦のアブダビで2015年まで、教員を続ける。2001年に短篇集『死の多様性』でデビュー、それ以降の創作活動により、ランデルノー賞、フランス・テレビ小説賞のほか、2012年の小説『ローマ陥落についての説教』でゴンクール賞を受賞。最新作はエッセー『何かが起こっている』(2017年)。

辻由美[ツジユミ]
翻訳家・作家。著書『翻訳史のプロムナード』(1993、みすず書房、日本出版学会賞)『世界の翻訳家たち』(1995、新評論、日本エッセイストクラブ賞)『カルト教団太陽寺院事件』(1998、みすず書房)『図書館で遊ぼう』(1999、講談社現代新書)『若き祖父と老いた孫の物語 東京・ストラスブール・マルセイユ』(2002、新評論)『火の女シャトレ侯爵夫人 18世紀フランス、希代の科学者の生涯』(2004、新評論)『街のサンドイッチマン 作詞家宮川哲夫の夢』(2005、筑摩書房)『読書教育』(2008、みすず書房)ほか。訳書 ジャコブ『内なる肖像 一生物学者のオデュッセイア』(1989、みすず書房)ポンタリス『彼女たち』(2008、みすず書房)アラミシェル『フランスの公共図書館 60のアニマシオン』(2010、教育史料出版会)チェン『ティエンイの物語』(2011、みすず書房)同『さまよう魂がめぐりあうとき』(2013、みすず書房)ドゥヴィル『ペスト&コレラ』(2014、みすず書房)ドルーアン『昆虫の哲学』(2016、みすず書房)フェラーリ『原理』(2017、みすず書房)ほか。

内容説明

あなたは問いかけていた。「強固なものはなにか?」“不確定性原理”のハイゼンベルクに魅せられたゴンクール賞作家がこの物理学者を幻視する精密な小説。

著者等紹介

フェラーリ,ジェローム[フェラーリ,ジェローム] [Ferrari,J´er^ome]
1968年パリ生まれの作家・翻訳家。両親ともフランス南部コルシカ島の出自。パリ第一大学で哲学教授資格を取得後、コルシカ島の高校で哲学を教えるかたわら同島バスティアで哲学カフェを主催。以後、アルジェ(アルジェリア)やアジャクシオ(コルシカ)で2012年まで、アラブ首長国連邦のアブダビで2015年まで教員を続ける。2001年に短篇集『Vari´et´es de la mort(死の多様性)』でデビュー、それ以降の創作活動により、『Un dieu un animal』(2009)でランデルノー賞、『O`u j’ai laiss´e mon ^ame』でフランス・テレビ小説賞、『Le Sermon sur la chute de Rome(ローマ陥落についての説教)』(2012)でゴンクール賞を受賞

辻由美[ツジユミ]
翻訳家・作家。著書『翻訳史のプロムナード』(みすず書房、日本出版学会賞)『世界の翻訳家たち』(新評論、日本エッセイストクラブ賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

18
ハイゼンベルクの伝記小説かと思いきや、ときたま語り手の個人的な思い出などが挿入されていて、しかもそれが架空の人物だというから驚いた。160頁程度の分量ではあるが、やや複雑な構造と詩的な文章もあいまって、そうやすやすはいかない。作者の意図や目的といったものを理解しきれたとは言えないものの、ところどころのさりげない文章が凄烈で、ハッとするような美しさを味わうことはできた。作者はフランスの作家。この作品で初めて邦訳されたようだ。他の作品も出版されることがあれば是非とも読みたいと思う。(2017・36)2017/05/06

qoop

4
運命に翻弄される自身の人生を振り返りつつ、同様に時代の波に押し流される物理学者ハイゼンベルグの人生を重ねる語り手。著者を投影したらしき語り手は、実人生をまるで不確定性原理の喩えのように扱う、もしくは遠くで響く通奏低音のように聴かせるが、そんな彼が素朴かつ禅めいたハイゼンベルグの一言に聞き取ったのは救済だろうか。本作は、あるいは古式ゆかしい真善美へと至る物語だったのかもしれない。2017/09/19

Junya Akiba

3
量子力学の美しさに嵌まった文学者によるハイゼンベルク論。彼の功績を文学的に表現するとこうなるであろう、という調子で、ハイゼンベルクを「あなた」と呼びながらストーリーは進む。コペンハーゲン解釈をめぐるアインシュタイン、シュレーデインガーとの争い、そして避けて通れないナチスとの関わりに関して多くの頁が割かれているのが正直で良い。賛否両論いろいろあると思うが、私にとって20世紀前半の現代物理学はどのような形であっても奇跡でしかない。2017/06/06

shiaruvy

2
【2017.05.01 初版】\2,800- 薄いのでインフルお熱のおとも。価格にちと不満。(-_-;)2018/01/02

宗像司郎

1
量子力学の歩みに時代背景、人生がうまくマッチした作品です。2017/06/10

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