子どもたちの階級闘争―ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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子どもたちの階級闘争―ブロークン・ブリテンの無料託児所から

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622086031
  • NDC分類 376.123
  • Cコード C0036

出版社内容情報

UKの貧困地区における保育の現場から、子どもたちと親たちの進行形の闘いを通して「上と下」「自己と他者」の分断が進む今を描く。「わたしの政治への関心は、ぜんぶ託児所からはじまった。」英国の地べたを肌感覚で知り、貧困問題や欧州の政治情勢へのユニークな鑑識眼をもつ書き手として注目を集めた著者が、保育の現場から格差と分断の情景をミクロスコピックに描き出す。
2008年に著者が保育士として飛び込んだのは、英国で「平均収入、失業率、疾病率が全国最悪の水準」と言われる地区にある無料の託児所。「底辺託児所」とあだ名されたそこは、貧しいけれど混沌としたエネルギーに溢れ、社会のアナキーな底力を体現していた。この託児所に集まる子どもたちや大人たちの生が輝く瞬間、そして彼らの生活が陰鬱に軋む瞬間を、著者の目は鋭敏に捉える。ときにそれをカラリとしたユーモアで包み、ときに深く問いかける筆に心を揺さぶられる。
著者が二度目に同じ託児所に勤めた2015-2016年のスケッチは、経済主義一色の政策が子どもの暮らしを侵蝕している光景であり、グローバルに進む「上と下」「自己と他者」の分断の様相の顕微描写である。移民問題をはじめ、英国とEU圏が抱える重層的な課題が背景に浮かぶ。
地べたのポリティクスとは生きることであり、暮らすことだ──在英20年余の保育士ライターが放つ、渾身の一冊。

はじめに──保育士とポリティクス

I 緊縮託児所時代 2015-2016
リッチとプアの分離保育
パラレルワールド・ブルース
  コラム 子どもたちを取り巻く世界 1 貧困ポルノ
オリバー・ツイストと市松人形
緊縮に唾をかけろ
貧者分断のエレジー
  コラム 子どもたちを取り巻く世界 2 RISE──出世・アンガー・蜂起
リトル・モンスターと地上の星々
ふぞろいのカボチャたち
クールでドープな社会変革
ギャングスタラップ児とムスリム・プリンセス
天使を憐れむ歌
コスプレと戦争と平和
託児所から見たブレグジット
  コラム 子どもたちを取り巻く世界 3 フットボールとソリダリティ
ターキッシュ・ホリデイ(トルコの休日)
フードバンクの勃興とわれわれの衰退
ザ・フィナーレ 笑い勝つその日のために

中書き

II 底辺託児所時代 2008-2010
あのブランコを押すのはあなた
フューリーより赤く
その先にあるもの。
ゴム手袋のヨハネ
小説家と底辺託児所
神の御使い
母獣。そして消えて行く子供たち
故国への提言──UK里親制度って、結構ボロックスだよ。
白髪のアリス
炊事場のスーザン・ボイル
ロザリオ
たどり着いたらいつもどしゃ降り
愛のモチーフ
マイ・リトル・レイシスト
ブライトン・ロック──ミテキシーとベッキーと、時々、ミッキー
もう一人のデビー
人種と平等のもやもや──インクルージョン
ある追悼

おわりに──地べたとポリティクス

初出一覧

ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
保育士・ライター・コラムニスト。著書に、『花の命はノー・フューチャー』(2005年、碧天舎。ちくま文庫より2017年改題復刊予定)、『アナキズム・イン・ザ・UK──壊れた英国とパンク保育士奮闘記』(2013年)、『ザ・レフト──UK左翼セレブ列伝』(2014年)(以上、Pヴァイン)、『ヨーロッパ・コーリング──地べたからのポリティカル・レポート』(2016年、岩波書店)、『THIS IS JAPAN──英国保育士が見た日本』(2016年、太田出版)、『いまモリッシーを聴くということ』(2017年4月刊予定、Pヴァイン)、『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(2017年4月、みすず書房)。雑誌『図書』に「女たちのテロル」を連載中。1996年から英国・ブライトン在住。

内容説明

地べたのポリティクスとは生きることであり、暮らすことだ―在英20年余の保育士ライターが放つ、渾身の一冊。

目次

1 緊縮託児所時代 2015‐2016(リッチとプアの分離保育;パラレルワールド・ブルース;オリバー・ツイストと市松人形;緊縮に唾をかけろ;貧者分断のエレジー ほか)
2 底辺託児所時代 2008‐2010(あのブランコを押すのはあなた;フューリーより赤く;その先にあるもの。;ゴム手袋のヨハネ;小説家と底辺託児所 ほか)

著者等紹介

ブレイディみかこ[ブレイディミカコ]
保育士・ライター・コラムニスト。1996年から英国・ブライトン在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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修一郎

189
「こどもは社会が育てる」という基本通念は実に素晴らしいのだが,10代で妊娠出産して仕事も持てない娘が生まれた子供の生活保護費を頼って生活しているのがイギリスの貧困家庭の現状だ。底辺家庭から預けられる子供たちは手ごわい。御本人も40歳まで政治に無関心の普通のおばさんだったのに同じアンダークラス託児所の保育士の仕事を2度経験し,政策の影響を目の当たりにした。ハイクラスプアやこの状態を何とかしようと奮闘するヴォランティアの存在は希望だ。説得力あってきっぱりした文章。希望はまだ捨てていないぞ。圧巻のレポートだ。2020/02/18

遥かなる想い

124
在英20余年の保育士による英国の格差と分断の情景を描く。あまり知らなかった 移民による 英国の格差の実態が 保育士の視点で語られ、興味深い。 貧困の連鎖から 生まれる新たな階級の存在は はたして 英国だけなのだろうか…そんな気にさせる作品だった。2021/11/28

ネギっ子gen

109
【今年度一番乗りの収穫本】在英20年余の保育士ライターが地べたから放つ、渾身の一書。文体のフイット感が最高! 例えば、「嫌だ嫌だと思っていることに限って必ずしなければならなくなる。あまりにもわかり易すぎるわたしの人生って。とブルーになりながら」とか「あなたたちはダメなのよ、屑なのよ、どうしようもないのよ、とわたしは思うのよ。の、その先にあるもの。についてあのときわたしはずっと考えていた」などなど。Ⅱ部構成。第Ⅰ部より「人の死で幕を閉じた第Ⅱ部のほうがずっと明るい」。「それは何故だろう」と著者同様に思う。⇒2020/03/12

molysk

100
英国で最も深刻な貧困の水準にある地区の無料託児所で、保育士の筆者が見つめてきたもの。労働党政権下の生活保護で暮らせた時代。レイシストな白人労働者も、リベラルな高等遊民も、移民の親子も、アナーキーな混沌の中で共生していた。保守党政権下の福祉切り詰めの時代。支援のある移民の親子が保育所に残り、白人労働者との間に分断が進み、高等遊民は仕事を求めて去り、保育所は閉鎖される。失われたものはアナキズムの尊厳、と筆者は気づく。保育所という地べたと、政治は繋がっている。徹底したミクロの視点から、格差と分断の現場を描く。2022/03/20

belalugosi6997

97
端々に差別が垣間見れて涙も引っ込むホラーだ。上流・中間層は外国人の差別は×だが、白人貧困層への攻撃は容赦ない。移民からも差別される。緊縮のせいで今まで得ていた待遇や施しが薄くなる、政治が変わると社会が変わる、最貧困を観れば如実である。障害者(スペシャル・ニーズ)と健常者に隔てなく教育を受けさせるのは理想だが、現実は「しかるべき環境が整っていなければ致命的な結果になる。」とは真理である。あまりにフードバンクで多文化共生(ハラルやビーガン)を追求しすぎて食事が味も素っ気もなくなったのは食事だけでなさそうだ。2019/04/11

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