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神話論理〈1〉生のものと火を通したもの

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  • サイズ A5判/ページ数 504,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622081517
  • NDC分類 389
  • Cコード C1010

出版社内容情報

〈わたしは、先住民の哲学において料理が占める真に本質的な場を理解しはじめた。料理は自然から文化への移行を示すのみならず、料理により、料理を通して、人間の条件がそのすべての属性を含めて定義されており、議論の余地なくもっとも自然であると思われる――死ぬことのような――属性ですらそこに含められているのである〉(本書239ページ)

構造人類学の探究の頂点に位置し、20世紀思想の金字塔と讃えられるレヴィ=ストロースの主著『神話論理』(全5巻・原著は全4巻)を、ここに刊行する。10年以上の年月をかけ、ほぼ2000ページを費やして成ったこの大著は、南北アメリカ大陸先住民の813の神話を扱いながら、自然から文化への移行を読む驚くべき想像力、南アメリカのボロロの神話から北アメリカまで範囲を広げた地理的運動のダイナミズム、神話の論理にみられる二項対立の思考への構造分析の緻密さによって、まさに比類がない。神話的思考の普遍性をしめした、圧巻の文明批判の書でもある。

『生のものと火を通したもの』『蜜から灰へ』『食卓作法の起源』『裸の人1・2』の5巻は、それぞれが独立しながら相互に関係し、さらに『神話論理』全体が『今日のトーテミスム』『野生の思考』から『やきもち焼きの土器つくり』まで、著者のほぼ全著作と照応している。他巻同様、音楽的構成のきわだつ神話論理Ⅰ『生のものと火を通したもの』は、「序曲」に続いて、全体の基準神話となるボロロの「鳥の巣あさりの神話」が論じられる。

ここからすべては始まるのだ。

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関連書:
レヴィ=ストロース『神話論理』の森へ
渡辺公三・木村秀雄編・四六判・260頁・定価2730円(本体2600円)・ISBN4-622-07208-4 C1010
同時刊行
◇原書から40年をへて待望の日本語訳が刊行されるその浩瀚なライフワーク『神話論理』を読むためのガイドブック。執筆陣:中沢新一、M. エナフ、渡辺公三、木村秀雄、内堀基光、鈴木一誌、港千尋、安冨歩、池澤夏樹
2005年秋、96歳のレヴィ=ストロースへのオリジナル・インタヴュー、レヴィ=ストロース主要著作目録を所収。



内容説明

構造人類学の探究の頂点に位置し、20世紀思想の金字塔と讃えられてきたレヴィ=ストロースの主著『神話論理』を、ここに刊行。ボロロの「鳥の巣あさりの神話」から、すべては始まる。

目次

序曲
第1部 主題と変奏(ボロロの歌;ジェの変奏(六つのアリアとそれに続く一つのレチタティーヴォ))
第2部(行儀作法についてのソナタ;短い交響曲)
第3部(五感のフーガ;オポッサムのカンタータ)
第4部 平均率天文学(三声のインヴェンション;二重逆転カノン;トッカータとフーガ;半音階の曲)
第5部 三楽章からなる田舎風の交響曲(民衆的主題にもとづくディヴェルティメント;鳥たちの合唱;結婚)

著者等紹介

レヴィ=ストロース,クロード[レヴィストロース,クロード][L´evi‐Strauss,Claude]
1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935‐38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。1941年からニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチで文化人類学の研究に従事。1959年コレージュ・ド・フランスの正教授となり、社会人類学の講座を創設。1982年退官。アカデミー・フランセーズ会員

早水洋太郎[ハヤミズヨウタロウ]
1941年に生まれる。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。愛知県立大学外国語学部教授。フランス文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

34

10
打たれた。めちゃくちゃ美しい。2020/11/15

梟をめぐる読書

10
「かつて女性はおらず、男性たちは同性愛をおこなっていた。そのうちのひとりが妊娠し、出産できなくて死んだ」(シェレンテ、女性の起源)。「造物主が人間と一緒に住んでいた頃、人間はノブタを食べてみたいと造物主に頼んだ。ノブタはまだ存在していなかった」(カリリ、ノブタの起源)。「祖母が腹を立て、毎晩、少年が眠っているときにそばに来て、孫の顔の上にしゃがみ、おならで毒を盛った」(ボロロ、病気の起源)。2012/07/08

きいち

9
ノブタの鼻が長いか短いか、水がわき出るのか雨として降ってくるのか、そんなディティールをカッコに入れてしまうのが構造分析かと思っていたが、真逆。細部をゆるがせにしないからこそ、別の神話同士の関係をつなげ、ネットワークを作っていくことができる。南米の200近い神話でそれをやっちゃうレヴィストロースの気迫と根気、愚直な正しさに感じいる一冊だった。2012/06/23

roughfractus02

4
全4巻(邦訳5冊)共通タイトルは神話と論理が不分離のLes mythologiques であり、論理の一貫性を求める「神話の論理」ではない。数学の群構造を参照した著者はヒト生命体の自然/連続群から文化/離散群への移行を見、初期はこの過程に無意識/変換群をおいて自然と文化にスイッチングする特性を変換しつつ不変性を保つとした。本書は無意識の群に膨大な神話資料を適用する。その際変換は物語をストーリーでなく語りのパターンに変え、他の神話の異文と接するバリエーション(変奏)として読者の脳裏に夢のように現われ消える。2018/08/04

メルセ・ひすい

4
8-30 赤126 20世紀思想の金字塔!あまたある構造主義文献のなかで未踏の巨峰・・・ ボロロ族の神話! 積んどくだけでも モテマスヨ 購入本 論をまたない文化人類学の権化 ・構造人類学の探求の頂点に位置し、20世紀思想の金字塔と讃えられてきたレヴィ=ストロースの主著。南北アメリカ大陸先住民の813の神話の中に、自然から文化への移行を読む。神話的思考の普遍性をしめした、文明批判の書。超・超・親日・百歳目前で逝去。涙拝。                        2009/02/20

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