出版社内容情報
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小説を読む愉しみはいったいどこにあるのだろう? 時間と空間をさっととびこえて、目的もなく自由な世界に遊ぶ。思わぬ視角から新しい宇宙をとらえる。
その〈読み〉の見本帖がこの一巻である。緑雨の探偵法に一葉の書簡案内から荷風のアメリカ、牧水のすぐれた記録者の目など、読みの醍醐味が味わえること必定である。また、海坂藩と豊島園・鬼平とバブル経済・狂四郎とテレビ時代など、ちょん髷にネクタイをつけた主人公たちの活躍を時代をこえて堪能できる。
池内紀の仕事場 全8巻
内容説明
探偵緑雨や一葉の通俗書簡文から海坂藩と豊島園・鬼平とバブル経済、さらに牧水や渋沢龍彦まで。時空間を自在に往還しつつ、作家たちの未知の秘法を探る。
目次
1 文学探偵帖(あの一件―斎藤緑雨;手紙の書き方―樋口一葉;覗き穴―夏目漱石 ほか)
2 ちょん髷とネクタイ(藤沢周平と豊島園;池波正太郎とバブル経済;柴田錬三郎とテレビ時代 ほか)
3 伝綺肖像館(鉄道時代―永井荷風;剃刀の話―志賀直哉;記録者の目―若山牧水 ほか)
著者等紹介
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者。エッセイスト。1966~96年、神戸大、都立大、東大でドイツ語、ドイツ文学の教師、その後は文筆業。「池内紀の仕事場」収録以外の主な著書、『諷刺の文学』(1978年・白水社・亀井勝一郎賞)、『ゲーテさん こんばんは』(2001年・集英社・桑原武夫学芸賞)など。主な訳書は、ゲーテ『ファウスト』(1999年・集英社・毎日出版文化賞)、『カフカ小説全集』(全6巻・2000/2002年・白水社・日本翻訳文化賞)など
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