内容説明
素粒子および核力についての中間子理論によって、日本人として初めてノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹。その幅ひろい読書体験から生まれた随想を集める。幼い頃、祖父から授けられた中国の古典への素養が、著者の精神風土を形成した。終生の愛読書「荘子」、墨子や漢詩の世界から、やがて少年時代・青年時代をつうじて興味の赴くままに日本の古典をひもとき、現実世界の外にひろがる別天地をそこに見る。西行、近松浄瑠璃、源氏物語…さらに、物理学者として国外へ出て、アインシュタインはじめ多くの出会いを契機として触れた西洋の書物を語るなかに、その世界観が透けてみえる。あるときは古典を近代科学の営みに引きつけて読む、心の広がり、自由さ。稀有な物理学者が、人間の築いてきたゆたかな書物の世界へ読者を誘う。
目次
「荘子」
「墨子」
「文章軌範」
「唐詩選」
「近松浄瑠璃」
「山家集」「伊勢物語」
「近世畸人伝」
「狂言記」
「東西遊記」
「源氏物語」〔ほか〕
著者等紹介
湯川秀樹[ユカワヒデキ]
1907‐1981、東京生まれ。1929年、京都大学理学部物理学科卒業。1933年、大阪大学理学部講師、1934年に素粒子の相互作用の理論を発表し、中間子の存在を予言した。1936年、同大学助教授、1939年、京都大学教授となる。1948年、プリンストン高等研究所客員教授。1949年、素粒子および核力についての中間子理論によって、ノーベル物理学賞を受賞。コロンビア大学客員教授、京都大学基礎物理学研究所所長等を歴任し、ラッセル=アインシュタイン宣言やパグウォッシュ会議などをつうじて平和運動にも貢献した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
ぞしま
ぱせり
ロピケ
はるとん