磁力と重力の発見〈3〉近代の始まり

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磁力と重力の発見〈3〉近代の始まり

  • 山本 義隆【著】
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  • みすず書房(2003/05発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 p605/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080336
  • NDC分類 420.2
  • Cコード C1340

出版社内容情報


第30回 大佛次郎賞受賞!
第57回「毎日出版文化賞」受賞
第1回 パピルス賞受賞

近代物理学成立の真のキーは力概念の確立にある。そこから〈遠隔力〉概念の形成過程を追跡してきた長い旅は、第3巻でようやく近代科学の誕生に立ち会う。

実験的研究と「地球は磁石である」という結論によって近代科学への道を開いたと高く評価されるギルバートは、一方、それゆえに地球は霊魂を有した生命的存在であるとも論じた。しかし、ルネサンスの魔術師デッラ・ポルタ(本書第2巻)に通じるその認識こそが、地球を不活性で不動の土塊と見るアリストテレス宇宙像を解体し、地動説の受容を促したのである。実験と観察の重視という方法もまた、スコラ学に対立する魔術・錬金術の系譜にある。他方、スコラにかわる新哲学として登場した機械論は、原因やメカニズムの解明を要求することで魔術の解体をはかったが、みずからは遠隔力の説明に失敗したのである。

霊魂論・物活論の色彩を色濃く帯びたケプラーや、錬金術に耽っていたニュートン。重力理論を作りあげていったのは彼らであり、近代以降に生き残ったのはケプラー、ニュートン、クーロンの法則である。魔術的な遠隔力は数学的法則に捉えられ、合理化された。壮大な前=科学史の終幕である。


山本義隆(やまもと・よしたか)
1941年大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在 学校法人駿台予備学校勤務。著書『知性の叛乱』(前衛社、1969)、『重力と力学的世界――古典としての古典力学』(現代数学社、1981)、『熱学思想の史的展開――熱とエントロピー』(現代数学社、1987)、『古典力学の形成――ニュートンからラグランジュへ』(日本評論社、1997)、『解析力学』Ⅰ・Ⅱ(共著、朝倉書店、1998)ほか。編訳書『ニールス・ボーア論文集(1)因果性と相補性』『同(2)量子力学の誕生』(岩波文庫、1999-2000)。訳書 カッシーラー『アインシュタインの相対性理論』(河出書房新社、1976、改訂版、1996)、同『実体概念と関数概念』(みすず書房、1979)、同『現代物理学における決定論と非決定論』(学術書房、1994)、同『認識問題(4)ヘーゲルの死から現代まで』(共訳、みすず書房、1996)ほか。

内容説明

近代物理学成立の真のキーは力概念の確立にある。そこから“遠隔力”概念の形成過程を追跡してきた長い旅は、第3巻でようやく近代科学の誕生に立ち会う。霊魂論・物活論の色彩を色濃く帯びたケプラーや、錬金術に耽っていたニュートン。重力理論を作りあげていったのは彼らであり、近代以降に生き残ったのはケプラー、ニュートン、クーロンの法則である。魔術的な遠隔力は数学的法則に捉えられ、合理化された。壮大な前=科学史の終幕である。

目次

第17章 ウィリアム・ギルバートの『磁石論』
第18章 磁気哲学とヨハネス・ケプラー
第19章 一七世紀機械論哲学と力
第20章 ロバート・ボイルとイギリスにおける機械論の変質
第21章 磁力と重力―フックとニュートン
第22章 エピローグ―磁力法則の測定と確定

著者等紹介

山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務
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感想・レビュー

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KAZOO

77
「20世紀物理学史」よりもはるかに読みやすく興味をかき立たせてくれる本です。ルネサンス以降ということで、ケプラー、ガリレオ、デカルト、ベーコン、ボイル、フック、ニュートンなどの理論を磁力あるいは重力という観点に絞って説明してくれています。読んでいても理解できるような感じにとらわれます。文科系の私でもこの3巻は何とか読み通せました。2015/09/09

テイネハイランド

19
図書館本。最終章の「エピローグ-磁力法則の測定と確定」は、高校の時慣性モーメント/剛体の物理を授業で習わなかった私には、内容が難しく、細かな数式を追いきれませんでした。やはり、ニュートン以前と以降とでは、物理学の中身が劇的に変化したんだなというのがこの巻の感想ですが、その当の本人については、「プリンケピア執筆もふくめてニュートンが力学の研究に打ち込んだのはせいぜいが三年余であり、他方、その十倍近くの期間、ニュートンは錬金術の研究に没頭していたのである。」という人生を過ごしていたというのが興味深かったです。2016/06/01

CCC

11
「隠れた力」である磁力や重力が、その時代時代において西洋でどう捉えられてきたについて。魔術が科学に変わっていく、思想の変遷が力を入れて書かれている。現代から見て正解ルートだった論だけでなく、むしろ間違った方向に向かっていた論についての記述も多かった。そのため現代では顧みられない人物の話も多く、またガリレイやニュートンなどの重要な説を唱えた人でも現代の物理学からずれている考えを持っていた、というところまで突っ込んで書かれていて面白かった。2022/11/24

garth

7
「片足をまだ中世に残していたケプラーと異なり「近代人」ガリレオにとっては、月がはるかに離れた地上の物体(海水)に力や影響を及ぼすなどというのは、つまるところ魔術思想の妄想か占星術の世迷い言であって、到底受け入れられなかったと言えよう」宇宙から神秘を追放しようとしたデカルトの機械論は遠隔力を認められなかったがゆえに磁力の本質をとらえそこね、ニュートンは神秘主義者であったがゆえに万有引力を定式化できた。ギリシャの哲学者も、中世の神学者も、ルネッサンスの魔術師も、みな無知蒙昧な迷信家などではなく、その時点で得2010/03/13

roughfractus02

6
W・ギルバート『磁石論』は、地球のレプリカを用いた実験等から地球が磁石であるとし、地球が霊魂を持つという魔術的考えを残しつつ、磁性によって自分自身で回転し方向づけるという合理的な検証によって地動説を展開する。ここからケプラーは惑星運動を幾何学から動力学に転換して太陽が各惑星に作用する力を「磁力」と仮定し、ガリレオは自作の望遠鏡での観察で月や他の惑星が地球と同種の物質構成であると仮定した。デカルトの機械論、ボイルの粒子的な世界観、フックの関数による磁力から重力への転換を経て、ニュートンの万有引力が登場する。2019/02/18

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