出版社内容情報
ドグマであった二元的宇宙論とその下にあった観測天文学との序列が、コペルニクス地動説以降揺らぎだす。近代科学胎動期の苦闘を活写
◆コペルニクス地動説の本質とは何であったのか。精確さと概念上の革命性をあわせもち、既存の世界観に対する両刃の剣であった彼の『回転論』に、以降の学者たちはどのように対峙したのだろうか。◆とくに、レティクス、ゲンマ・フリシウス、オジアンダー、メランヒトンら、『回転論』の含意と格闘した知識人たちの姿を、著者は透徹したまなざしで描きだす。自然学と自然そのものとの関係をめぐる彼らの真摯な葛藤は、近代科学の胎動期を体現している。◆そうした葛藤を経て、ドグマ的宇宙論と観測天文学との序列が、徐々に揺らぎはじめる第2巻。
第5章 ニコラウス・コペルニクス――太陽系の体系化と世界の一元化/第6章 初期のコペルニクス主義者たち――レティクス、ガッサー、ゲンマ/第7章 不可知論と相対論――オジアンダーとルター/第8章 宗教改革と数学的天文学の隆盛――メランヒトン・サークル/付記B:コペルニクス『回転論』における惑星軌道/注記
内容説明
後の天文学の劇的な展開、ひいては宇宙論と自然学の変革への助走となった、コペルニクス地動説との格闘の軌跡。16世紀が孕んでいた近代科学の胎動を活写する第2巻。
目次
第5章 ニコラウス・コペルニクス―太陽系の体系化と世界の一元化(天文学者コペルニクスの生涯と背景;コペルニクス改革を導いたもの ほか)
第6章 初期のコペルニクス主義者たち―レティクス、ガッサー、ゲンマ(レティクスとペトレイウス;レティクスの『第一解説』 ほか)
第7章 不可知論と相対論―オジアンダーとルター(『回転論』の匿名の序「読者へ」;「読者へ」をめぐって ほか)
第8章 宗教改革と数学的天文学の隆盛―メランヒトン・サークル(宗教改革と大学改革;メランヒトンの教育改革 ほか)
著者等紹介
山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、韓国語訳、2005:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
夜間飛行
roughfractus02
MrO
takao