世界の見方の転換〈2〉地動説の提唱と宇宙論の相克

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  • サイズ B6判/ページ数 p358/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622078050
  • NDC分類 440.23
  • Cコード C1340

出版社内容情報

ドグマであった二元的宇宙論とその下にあった観測天文学との序列が、コペルニクス地動説以降揺らぎだす。近代科学胎動期の苦闘を活写

◆コペルニクス地動説の本質とは何であったのか。精確さと概念上の革命性をあわせもち、既存の世界観に対する両刃の剣であった彼の『回転論』に、以降の学者たちはどのように対峙したのだろうか。◆とくに、レティクス、ゲンマ・フリシウス、オジアンダー、メランヒトンら、『回転論』の含意と格闘した知識人たちの姿を、著者は透徹したまなざしで描きだす。自然学と自然そのものとの関係をめぐる彼らの真摯な葛藤は、近代科学の胎動期を体現している。◆そうした葛藤を経て、ドグマ的宇宙論と観測天文学との序列が、徐々に揺らぎはじめる第2巻。

第5章 ニコラウス・コペルニクス――太陽系の体系化と世界の一元化/第6章 初期のコペルニクス主義者たち――レティクス、ガッサー、ゲンマ/第7章 不可知論と相対論――オジアンダーとルター/第8章 宗教改革と数学的天文学の隆盛――メランヒトン・サークル/付記B:コペルニクス『回転論』における惑星軌道/注記

内容説明

後の天文学の劇的な展開、ひいては宇宙論と自然学の変革への助走となった、コペルニクス地動説との格闘の軌跡。16世紀が孕んでいた近代科学の胎動を活写する第2巻。

目次

第5章 ニコラウス・コペルニクス―太陽系の体系化と世界の一元化(天文学者コペルニクスの生涯と背景;コペルニクス改革を導いたもの ほか)
第6章 初期のコペルニクス主義者たち―レティクス、ガッサー、ゲンマ(レティクスとペトレイウス;レティクスの『第一解説』 ほか)
第7章 不可知論と相対論―オジアンダーとルター(『回転論』の匿名の序「読者へ」;「読者へ」をめぐって ほか)
第8章 宗教改革と数学的天文学の隆盛―メランヒトン・サークル(宗教改革と大学改革;メランヒトンの教育改革 ほか)

著者等紹介

山本義隆[ヤマモトヨシタカ]
1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在、学校法人駿台予備学校勤務。著書『磁力と重力の発見』全3巻(みすず書房、2003、韓国語訳、2005:パピルス賞、毎日出版文化賞、大佛次郎賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

115
この巻はコペルニクスに同調する地動説を唱えた人々の話は面白く語られています。占星術などの絡みも書かれていてこの時代はまだまださまざまな学説が入り乱れていたということがわかります。宗教改革の時代でもあったわけですが、これだけ言えたということはかなり自由な雰囲気もあったのでしょうね。2016/02/09

夜間飛行

57
天文学の中心クラクフ大学に籍を置いたコペルニクスは、イタリアでレギオモンタヌスの弟子ドメニコ・マリアの教えを受ける。彼は地動説を見つけたのみならず、ばらばらだった惑星運動理論を一つの系…いってみれば統一理論に纏めた。これにより今まで低く見られていた数学は、アリストテレス自然学を超える宇宙像を見出す可能性を得たのだ。ところが意外なのは、そのコペルニクスが観測精度に無頓着なばかりか、ギリシア以来の二元論および円運動のドグマに囚われており、それに合ったデータだけを用いた事である。彼の中にも中世の人がいたらしい。2016/10/06

roughfractus02

2
科学は試行錯誤による仮説の検証過程であると本書は示唆する。プトレマイオスの惑星の円軌道を保持しつつも、コペルニクスは従来の天界と地上界が別々の法則で動くという考えを転換し、地球も他の惑星同様同じ自然法則に従うことをデータと計算で導出する。本巻の補遺を読むと、両者の宇宙論は座標変換できず、前者の等化点(エカント)モデルでは説明不能な惑星配列の順番を後者の小周円モデル(円軌道を採る地動説)が可能にする点がわかる。ルターの改革で知的環境も変わる中、この数学モデルは宇宙論の真偽より現象の整合性に見合う形で広まる。2019/02/25

MrO

2
いよいよ、ケプラー登場の基盤が作られた。コペルニクスの革新の真相にせまる2巻。青年ケプラーのコペルニクス評がいい。この時点では、まさか自分がコペルニクスを乗り越え、真の革新を成し遂げるとは夢想だにしていなかったのだろうが、若者らしい野望に満ちた言葉である。2015/07/07

takao

1
ふむ2020/12/07

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