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ゲーデルの定理―利用と誤用の不完全ガイド

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  • サイズ A5判/ページ数 241p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622075691
  • NDC分類 410.9
  • Cコード C1041

出版社内容情報

ゲーデルの定理を“表からも裏からも”捉えたユニークな解説書。典型的な誤用例は定理を引用する前に必読。数学哲学の奥深さに触れる

内容説明

「革命」ばかりが語られてきた不完全性定理について、本来の定理としての醍醐味を語る。ゲーデル、チューリングをはじめとする驚くべき頭脳がシステムの性質を探る、創造性あふれる営みを垣間見る旅。しかも数々の誤用例を素材に、ゲーデルの定理では言えないことまでを徹底的に点検し、定理の射程を明らかにしている。認知科学、物理学、神学、ポストモダン批評など、思いつくかぎりの分野から誤用・誤解の事例がとりあげられている。誰もが陥りやすい錯覚や、緻密な考察の末の誤りも多く、著名な科学者の文章でさえ例に漏れない。同じ轍を踏まないためにもゲーデルの定理を引用する際にはとりわけ必読の書である。

目次

1 序
2 不完全性定理総論
3 計算可能性、形式体系、不完全性
4 不完全性はどこにでも
5 数学に関する懐疑と信頼
6 ゲーデル、心、コンピュータ
7 ゲーデルの完全性定理
8 不完全性、複雑さ、無限大
A 補遺

著者等紹介

フランセーン,トルケル[フランセーン,トルケル][Franz´en,Torkel]
1950‐2006。ストックホルム大学よりPh.D.(哲学)を取得。ルレオ工科大学(スウェーデン)計算機科学・電子工学科に講師として長年勤め、プログラミングを教えた。数理論理学と計算機科学が専門

田中一之[タナカカズユキ]
1955生まれ。カリフォルニア大学バークレー校で、新しい算術独立命題を発見したハーリントン教授に師事し、Ph.D.を取得(1986)。現在、東北大学大学院理学研究科数学専攻教授。専門は数学基礎論で、とくに「逆数学」の研究で国際的に知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

iwri

8
不完全性定理の一般向け解説書。独特なのはタイトルでも示唆されているように、不完全性定理の誤用例を引き合いに出して、何が間違いであるかを指摘している点。もっとわかりやすい解説書は他にあるだろうが、本書を読めば典型的な誤用がどういったものか、それらがどういう意味で間違っているかはわかると思う。誤用というとソーカル事件を想起するかもしれないが、ホーキングやダイソン、ペンローズといった科学者の見解も引き合いに出されている点は特徴的だと思う。2012/07/16

void

3
不完全性定理のどこがどう誤解されてきたのか、適切な射程はどこかを縷々述べた本。序盤で挫折したので要点メモだけ。「ある程度の有限的算術を含むどんな無矛盾な形式体系にも決定不能な算術命題が存在し、さらにそのような体系の無矛盾性はその体系において証明できない」。誤用の第一原因は「有限的算術(非負整数の機械的計算)」の無視であり、またこの定理は その算術部分が不完全だ(証明も反証もできない言明が存在する)との主張で、それ以外の部分についてはノータッチ。2013/09/29

EnJoeToh

3
すごかった。(但し、かなりハード。)2011/03/27

きぬいと

1
ゲーデルの不完全性定理は、その名前から哲学的な問題を始め諸問題に応用されうるという誤解を受けがちであるが、それは誤りで、あくまで論理学の中での定理であるということ、そして数学の限界を示した定理ではないということが再確認できる本。2013/06/18

おちこち

1
かなりハードなゲーデルの定理の入門書。哲学や神学、物理学などの「応用」に対する丁寧な批判をはじめ、ゲーデルの定理周辺、特に数学基礎論のその後の発展が書かれており、コンパクトな本ながらも読みどころは多い。不完全性定理の簡単な入門書の後に読む本として勧めることができると思う。2012/12/04

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