闇を光に―ハンセン病を生きて

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  • サイズ B6判/ページ数 228p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622075547
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

内容説明

過酷な隔離政策により11歳でハンセン病療養所へ。「自らが燃えなければ何処にも光はない」(明石海人)の言葉を胸に自由闊達な精神で歩みつづけた人の記録。

目次

もえて幾山河―私のハンセン病六十六年を顧みて
僕のお父さん
入室する晩

君の手
海の向うには
小豆
盲目十年
入園番号
ひとすじの道―故森岡康行氏を追悼する詩〔ほか〕

著者等紹介

近藤宏一[コンドウコウイチ]
1926年大阪生まれ。1938年、11歳の時に長島愛生園入園。1941年愛生学園卒業。子供時代から詩や作文を書き、「愛生」誌、「綴り方倶楽部」などに発表。戦後、赤痢に罹患したことにより病状が悪化し、失明、四肢障害を負う。1953年、園内の盲人の仲間とともにハーモニカを中心としたバンド「青い鳥楽団」を結成、楽長をつとめる。長島詩話会に参加し「裸形」等で詩を発表するほか、「らい詩人集団」同人として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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寛生

44
【図書館】「読むこと」が人間にとって、どれほど高貴な使命、召命であることを私に考えさせてくれた一冊。時に、書は人を選び、人から「読む」という行為を引き出す。そして、書は人を「読む人」とならす。病を負った近藤は、指先が使えず、視力を失う。自らの目で読むこともできず、点字さえ触ることができない近藤に、ある日、友が聖書のヨハネ9章を読んでいたことが、その読むという使命へのイコンとなり、自らの舌と唇を使ってコンクリートのように固い点字の上を僅かな触覚を頼りに、口から血を出しながら読み進めていく行為を引き出す。2014/05/03

まりこ

2
これほどまでに清らかな文章を読んだことがあっただろうか。国の隔離政策により、11歳でハンセン病療養所長島愛生園に入園し、83年の生涯の大半をここで暮らした近藤宏一氏。失明、四肢障害を負いながら、自分で読みたいと痛切に願い、わずかに知覚が残された唇と舌で点字を学び、聖書や楽譜を読んだ。盲人仲間とのハーモニカバンド「青い鳥楽団」を結成。その楽譜は破れた舌からの出血で赤く染まったという。静かに綴られる随筆や詩は、絶望の中に光を見た人の威厳と気品に満ちており、その美しさに打たれ、しばし身動きができなくなる。2016/08/29

りんふぁ

0
舌読取得までの大変さ、またそのなかでのハーモニカ楽団の活動が印象的だった。2013/06/10

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