ピアノ・ノート―演奏家と聴き手のために

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  • サイズ B6判/ページ数 227,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622074892
  • NDC分類 763.2
  • Cコード C0073

目次

第1章 身体と心
第2章 ピアノの音を聴く
第3章 ピアノという楽器と、その欠陥
第4章 音楽学校とコンクール
第5章 コンサート
第6章 レコーディング
第7章 演奏スタイルと音楽様式

著者等紹介

ローゼン,チャールズ[ローゼン,チャールズ][Rosen,Charles]
1927年ニューヨークに生まれる。4歳でピアノを始め、11歳でジュリアードを中退、モーリツ・ローゼンタールに師事する。1951年プリンストン大学で博士号取得(フランス文学)。コンサート・ピアニスト、音楽批評家・理論家。ハーバード大学、シカゴ大学などで教鞭をとる(フランス文学ほか)。『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』に定期的に執筆。著書にThe Classical Style:Haydn、Mozart、Beethoven(1971,1997。全米図書賞受賞)など

朝倉和子[アサクラカズコ]
ピアニスト、翻訳家(SWET会員)。訳書ブラッドレー・マーティン『北朝鮮―「偉大な愛」の幻』(青灯社、2007。毎日新聞アジア・パシフィック賞特別賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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松本直哉

22
ブラームスの間奏曲の7度の跳躍に10度を添えてさらに技術的困難を加えることが同時に表現を濃密にするという洞察に見られるように、筆者の思索は常に指使いやペダルといった身体的問題を出発点として、ピアノを弾くことの「身体的歓び」にいつも戻ってくる。チャールズ・ローゼンといえば、P.ブーレーズのウェーベルン全集のピアノパート担当としてその知的で清冽な演奏を愛聴してきたが、その文章も知的明晰と、音楽のみならず歴史や文学への深い理解と、音楽への愛と歓びに満ちていて、豊富な譜例からも多くの示唆を与えられた。2015/04/01

おぎわら

17
プロのピアニストによるピアノについてのあれこれ。翻訳書にありがちで何となく学術書テイストだが、原書はもう少しくだけた感じなんじゃないだろうか? ともあれ、ピアノのメカニズムに関する話、練習法や音楽学校、コンクールの裏話などなど、なかなか興味深い。直前に「羊と鋼の森」を読んでいたので、機械としてのピアノの話や調律の話は特に興味深かった。ピアノの醍醐味は和音の響き方ということか。ただ、これはかなり本格的にピアノに取組んでいる人ならもっと面白いだろう。電子ピアノ止まりのわが身にはちょっと余るものがある。2017/10/10

tom

17
チャールズ・ローゼンという人は、日本ではあまり知られていないけれど、アメリカでは評価されているピアニストかつ文学者とのこと。テクニカルな話、音楽のお勉強のこと、聴衆のこと、録音の技術(音源の加工)コンクールのこと、良い演奏家とダメな演奏家等々、いろいろと書いている。個々の話題は、とても面白いのだけど、コメントするほどに記憶に残る話は少ない。面白かったのは、面倒なフレーズの練習は退屈なので、本を読みながらやるというところ。真似をしてみたけれど(ピアノじゃないです)、とてもできることではなかった(笑)。 2016/05/31

Bartleby

13
音楽や楽器の奏法を言語化する仕方に興味がある。批評家は音楽を論じるとき、形容はうまいがどうも上辺だけという感じがする。音楽家は、わかる人にはわかるすぐれた比喩を使うがいまいち言ってる意味がわからないことも多い。その点仏文学者でピアニストである本作の著者は表現者の言語とメタ視点の言語、どちらの言語も持っているから面白い。そして貴重。だからピアノ弾きにとって有用な情報が詰まっていると同時に、聴く側にとってもピアニストを、ピアノを、理解するうえでも重宝する本だ。2022/12/24

胆石の騒めき

8
(★★★★★)ピアニストの視点より演奏活動の様々な側面を明晰に解説している。音楽鑑賞を趣味とするものにとっては、必読の書。特にコンサートとレコーディングについては、ピアニストがどのように考えているのか常々気になっていたけれど、ここでは一定の解釈が示されている。本文中の「何故、ひどい演奏にも大きな拍手が起きるのか?」という問いには、「批評ではなく、感謝と称賛を示しにコンサートに行くのだ」と答えたい。ツィメルマンが言うように聴衆との相互作用によって音楽が成り立つのであれば、それは素晴らしいことと思う。2017/10/29

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