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その音楽の“作者”とは誰か―リミックス・産業・著作権

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  • サイズ B6判/ページ数 240,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622071259
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0073

内容説明

つくり手と聴き手の境界領域を、細心の緻密さで分析、錯綜する音楽シーン理解への突破口を開く。「作者性」の核心を衝く、ポピュラー音楽文化論の最前線。

目次

第1部 “作品”と“作者”をリミックスする―クラブ・ミュージックとDJ文化(クラブ・ミュージック小史;クラブ・ミュージックの存在論―間テクスト性の美学と複製メディア;拡散する“作者”―聴取‐作者としてのDJ)
第2部 誰の音楽?誰の権利?―音楽産業と著作権システム(この音楽は商品だが、それに何か問題でも?―音楽産業論の視角;音楽「著作権」の布置―近代日本における概念の生成と変容;音楽生産と音楽著作権―広告音楽タイアップの経済構造)
第3部 その音楽は誰のものか(作品概念の分析美学;“作者”の諸機能―署名・所有・帰属・語りの位置)

著者等紹介

増田聡[マスダサトシ]
1971年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。明治学院大学・国立音楽大学・法政大学非常勤講師。音楽美学・音楽社会学(ポピュラー音楽研究)専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サイバーパンツ

11
音楽産業によって産出される「作品」に単一の「作者」は存在しないため、近代美学における音楽の所有関係(作者=作品の所有者=作品の帰属先)をそのまま当てはめると齟齬が生じる。私たちがその音楽の「作者」とは誰か?と問うとき、それはメディア・テクノロジーとの関連で規定され契機それぞれごとに拡散する「作者」のことを指している。その実例として取り上げられるのが、クラブミュージックやタイアップの問題である。結論部が全てな感じで、リミックスや著作権についての掘り下げがあまりなかったのは、少し期待外れだった。2018/02/04

kiriya shinichiro

1
このタイトルから想像する内容を期待すると肩透かしをくらうかも。突然クラブミュージックの歴史とか言われても「え?」ってなる……たぶんこの本を読みにくくしているのは構成的な問題。具体例が出てくると「なるほどな」と思うし面白いけど(ビーイングの話とか)。 2019/08/16

mizuami yowako

0
結論部となる8章を要約すると、作者の機能、社会と音楽との接点における契機などの諸側面において、作品を特定の「作者」に属するものとみなす近代美学は、現実の音楽との齟齬を来しており、それら側面において「作者」は拡散することになる。リミックス・音楽引用・作品同定についてのもっと掘り下げた議論を期待したが、傍流に措かれていたのが残念。2009/06/28

ヨシツネ

0
著作権の理念は19世紀ロマンティックで構成されているので現代の産業物との矛盾が起きている。単一の作者がおらずキースニーガスの生産の文化論のように生産者と消費者の緊密な場として産業物を理解するなら売れるから売れないからという素朴な見方は役に立たないことを意味する。力の不均衡はあるが対等に作品を作り上げている2021/11/01

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