宇宙のたくらみ

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  • サイズ A5判/ページ数 336,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784622070610
  • NDC分類 404
  • Cコード C1040

出版社内容情報

見えるものの彼方を見たいという欲求から生まれた芸術は、科学とともに、人間に固有の営みである。だが、科学が世界についての客観的な見方であるのにたいし、芸術は主観的なもの、両者は本質的に異なっているというのが大方の見解だろう。

しかし宇宙論学者バローによれば、どちらも事物の正確な観察という共通の起源から生じたのであり、芸術は一般に信じられているほど自由なものでもなければ、無拘束なものでもない。

人間はできあがった感覚をすでに備えた者として誕生したわけではない。宇宙全体の構造、太陽や月と地球との関係、人類の誕生した場所の自然環境などが、思いもよらぬかたちで人間の肉体と精神にさまざまな刻印を残しており、さらには美的感覚までも規定しているというのだ。

適応と進化、遠近法、幼児と風景術、言語の本能、地球外生命と芸術、星座の起源、色覚の源泉、時間間隔の観念と週の起源、天球の音楽、ノイズと音楽など――美的感覚をめぐる進化論的文化人類学ともいうべき本書は、人間の芸術的創造性の宇宙的起源を明らかにする。


John D. Barrow(ジョン・D・バロー)
1952年、ロンドンに生まれる。ダーラム大学卒業後、1977年、オクスフォード大学でPh.D.(天体物理学)を取得。オクスフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、サセックス大学を経て、現在、ケンブリッジ大学教授(重力理論・宇宙論)。天文学、物理学、数学をテーマに一般読者のために書いた多数の著書があり、英語圏でもっとも多産なサイエンス・ライターの一人として知られている。著書『万物理論』、『天空のパイ』(共にみすず書房)、『宇宙はいかに創られたか』、『宇宙が始まるとき』ほか。


菅谷 暁(すがや・さとる) 訳
1947年に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。科学史専攻。訳書 コイレ『ガリレオ研究』、チュイリエ他『アインシュタインと手押車』、ビュフォン『自然の諸時期』、ゴオー『地質学の歴史』(みすず書房)、コーエン『マンモスの運命』ほか。

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関連書:
J・D・バロー『万物理論――究極の説明を求めて』
J・D・バロー『天空のパイ――計算・思考・存在』

内容説明

世界についての客観的見方とされる科学と、主観的なものとされる芸術はどのような関係にあるのか。宇宙論学者として知られるバローが美的感覚の起源を解き明かす壮大な進化論的文化人類学。

目次

1 予期せぬことの物語
2 進化の衝撃
3 サイズと生命と風景
4 天と地
5 音の自然誌
6 終わりよければすべてよし

著者等紹介

バロー,J.D.[バロー,J.D.][Barrow,John D.]
1952年、ロンドンに生まれる。ダーラム大学卒業(1974年)後、1977年、オクスフォード大学でPh.D.(天体物理学)を取得。オクスフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校を経て、1981年にサセックス大学に移り、1999年まで天文学教授および同大学天文学センター長を務めた。現在ケンブリッジ大学教授。重力理論の宇宙論的側面を専門とするが、260篇に上る論文に加えて、天文学、物理学、数学をテーマに一般読書のために書いた多数の著書があり、英語圏でもっとも多産なサイエンス・ライターの一人としても知られている

菅谷暁[スガヤサトル]
1947年に生まれる。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程退学。科学史専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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