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出版社内容情報
出版の変容と、知の変遷との関係を、歴史社会学的に分析した本書は、出版、とりわけ「人文書」の現在と未来を考えるとき、指針の役割を果たすものだ。そして、この本自体が水準を越えて優れた〈出版・メディア論〉の「人文書」である。
大学出版部の歴史を論じた第2章では、今まで十分に語られて来なかったさまざまなエピソードがたくさん紹介されていて、出版史をひもとくうえでの必読の章と言えよう。
社会学的考察が状況をよくとらえており、いわゆるメディア産業論的な出版論とは一線を画している。また、今の出版が抱える具体的問題にも要所をとらえて答えている。たとえば、「本が読まれない」という問題についても、出版界の現状に深く立ち入り説得力ある分析が展開されている。
出版の変容は、知の変遷とどのような相互関係があったのか。そして、現在は? 電子化、大市場化を迎えたかつてない激変のなか、出版はどこに向かっているのか。本書は、バイアスのかかった大きな産業化の流れに呑み込まれていく出版の全体状況を睥睨し、その原点をたどり、可能性を問う。歴史と現在を精確に捉えるところから始める、出版の行方を展望する画期的力作だ。
長谷川 一(はせがわ・はじめ)
1966年、名古屋市生まれ。千葉大学大学院中退後、晶文社、東京大学出版会にて書籍編集に従事。建築、映画、メディア、科学論などの諸領域で編集活動を行う。2002年、東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。現在、同大学院博士課程に在籍。専攻はメディア論、出版論、エディターシップ論。主要著書『NHKスペシャル「変革の世紀」(1) 市民・組織・英知』(共著、NHK出版、2002年)、『メディア・プラクティス』(共著、せりか書房、2003年近刊)ほか。
内容説明
出版はなぜ“危機”に陥ったか。大学制度との相関を歴史的に検討、デジタル化と人文書を論じ、今日の文化・社会・知の地殻変動を逆照射。メディア論の新地平。
目次
序章
第1章 メディア・知・コミュニティ―知‐出版系のメディア論
第2章 大学と出版のメディア編制―知‐出版系の歴史社会学
第3章 「作品」としての知―出版の電子化と知の再編成のなかで
第4章 「人文書」空間の生成と崩壊―近代日本における知・出版・教養主義
終章 エディターシップの再生へ―「コト編み」としての出版
著者等紹介
長谷川一[ハセガワハジメ]
1966年、名古屋市生まれ。千葉大学大学院中退後、晶文社、東京大学出版会にて書籍編集に従事。建築、映画、メディア、科学論などの諸領域で編集活動を行う。2002年、東京大学大学院情報学環・学際情報学府修士課程修了。現在、同大学院博士課程に在籍。専攻はメディア論、出版論、エディターシップ論
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