出版社内容情報
ランボーやブレヒトに匹敵する現代の巨人。ほとんど理解不能な予言者の全体像に迫った作家論。
内容説明
作品にも人生にも挫折しながら、なおランボーやブレヒトの存在に匹敵する現代の巨人=アルトー。ほとんど理解不能な予言者の全体像に肉迫した作家論の古典。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
catquittyquitty
1
アルトーに触れるでの前段階として。資料が少ない時代に書かれたとは思えないほど(寧ろだから?)、アルトーの変遷に沿って纏められたアルトー論。 変遷、と書いたがアルトーの一貫した《狂信者》性に基づいた視座で纏められている。その流れは《精神》(言葉を使う以上、せめて括弧で括るなどしないとその体現せんとするところからより遠ざかってしまうだろう)とその現出の相剋に貫かれているが、今まさにその視座、といった視点から物事を語っているし語り得ない、といった事柄を痛感させ、違和を抱かせる偉大な《狂人》の道筋について。2018/06/03
はる
0
アントナン・アルトーの狂気性を述べるときに、彼の病気や麻薬を服用していたことに還元させることは多いが、この本はそれだけではない人間としてのアルトーを論じていたと思う。2023/10/20