出版社内容情報
「政治的英知の不朽の手引き」(ラスキ)と称され真の保守主義のバイブルとされる古典的名著。
内容説明
本書は、政治的理性と現実的熟慮を通ずる正義と便宜の調整の方法を明らかに示し、保守主義のバイブルと称される地位を占めるにいたった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
28
絶対王政を批判し議会政治を是としたエドマンドパーク。それでも彼はフランスの地に革命の嵐が吹き荒れ、血と暴力をもって全てを破壊した後には輝かしい未来が待っていると人々が暴走しているその中で、フランス革命にノーと言った。革命や変革自体を否定しているのではなく、そのあまりに衝動的で暴力的な手段にノーと言った。社会はそんなに簡単に一晩で様変わりはしない。国王の首を刎ねても世界は何も変わらない。真の変革とは細かなことの積み重ねであり、それをやり続ける以外に方法はない。今を生きる人間も教訓にしなくちゃいけないよな。2020/10/17
びす男
26
「貴方がたの始め方は誤っています。というのも、自らのものすべてを蔑視することから始めたからです」。 自由、平等…現実とは相容れない抽象論を追いかけて、混迷を極めたフランス革命を、鋭く批判した一冊。著者のバークはイギリスの政治家で、「保守主義」思想の父とされている。 「古い制度をぶっ壊す」聞こえはいいが、それをして混乱が起こったらどうするの、と。国民は無秩序に陥り危機に晒される。革命の時代にあってバークは政治的安定の重要性を訴え、「革命」でなく「変化の積み重ね」を求めた。 あとで書評を書きます。2014/07/16
風に吹かれて
14
フランス革命がまさに行われているときに書かれたイギリスの政治家バークの反フランス革命の書。一時の感情を民衆にたきつけるようにして行われた暴力的な革命と、新政府が哲学的形而上学的論理から行う民衆の現実の生活を踏まえない政策を批判している。これまでの歴史や伝統、そしてキリスト教信仰を踏まえ、当時のイギリス政治とフランス革命政権を対比させつつ、正義こそが政策であることを多様な視点から解き明かす。政治家には、某のように政治資金で漫画など買わず、こういった本も一読して欲しいものだ。2016/06/27
yuui02
6
経験や積み重ね、慣習を無視した抽象的形而上学への批判。多様性の中の統一性を重視するバーク。社会は微妙なバランスの上に成り立っているので、それを一気に変えようとする事への批判。ただ変革そのものを批判しているのではなく、フランス革命のやりかたについて批判している。2015/01/20
ぱぴ
3
終始感動して読了。正に“心の琴線に触れる“とはこの事。抱えきれない様々な事柄を学んだけれど究極は、自然への服従の精神、畏れ敬う心を忘れた人間は、幸福になる事はあり得ないのだと腑に落ちた事だった。偉大な芸術の書としても捉える事が出来る。人生に迷ったらまた読んでみるのも良いかも知れない。2020/12/14