出版社内容情報
「直接おそわったことはないが、その本からいろいろ学んだ。たとえば散歩の楽しさを知った。騎西、牛堀、布佐、向島、大利根、関宿、白子の宿……むろん、散歩だけではない。何よりも静かな文章を学んだ。静けさのしみとおった言葉づかいを」。(編者解説)
素白先生=岩本堅一はジャーナリズムから遠く離れて生き、その消息は知るひとぞ知る。優れた国文学者にして、恐るべき散歩の達人。早稲田の同期生だった歌人・窪田空穂によると「教員という職は大体安定したものであるが、それにしても岩本君はその上での単純と純粋を極めた人という感がある」。その世に隠れた珠玉の随筆を精選して、大人の読書人に贈る。
書評情報:
荒川洋治さん/産経新聞 2002.1.6
蜂飼 耳さん/週刊朝日 2002.1.25号
花崎真也さん/Pen 2002.2.1号
------------------------------------------------
《大人の本棚》
新しいだけの知識や情報はもうウンザリ! 人生も半ばを過ぎて自ら安んじ、これから何を読み、何と付き合うかを考えるとき、さて、何があるか? ……大人だからこそ読んでみたい、読み返したい書目を厳選しておくる、全20冊のシリーズです。古典から今日のすぐれた書き手まで。軽く目にやさしい本文用紙、柔らかな表紙を採用、そして何よりも、従来に比べて一回り大きな活字で本文組を実現。ユニバーサルデザインのアンソロジー。
『素白先生の散歩』は、このシリーズの第1冊目として配本。
刊行後、予想以上の反響をよび好評既刊
2001.12.16 朝日新聞読書欄「いつもそばに本が」で種村季弘さんが、素白にふれている。
「何といっても品川宿をはじめとする東京の下町や、武蔵野の面影が残っている郊外の散策記が絶妙である。…わたしも、素白「東海道品川宿」を案内書にしてそぞろ歩いた」と。
--------------------------------------------
岩本素白(いわもと・そはく)
本名・岩本堅一(けんいち)。明治16年(1883)東京麻布に生まれる。東京専門学校(後の早稲田大学)文学部国文科卒業。麻布中学教師を経て、大正11年(1922)早稲田大学文学部国文科教授。定年退職後、請われて麻布高校、跡見学園短期大学の教壇に立つ。著書『日本文学の写実精神』(中央公論社)、『山居俗情』(砂子屋書房)、『素白集』(東京出版)、『素白随筆』、『素白全集』全3巻(ともに春秋社)。
編者:
池内 紀(いけうち・おさむ)
1940年兵庫県生まれ。ドイツ文学者。おもな著訳書『ウィーンの世紀末』(白水社)、『海山のあいだ』(角川文庫)、『ぼくのドイツ文学講義』(岩波新書)、『見知らぬオトカム』『遊園地の木馬』(みすず書房)、『カフカ寓話集』(岩波文庫)、ゲーテ『ファウスト』(集英社)、カフカ『失踪者』(白水社)ほか。
内容説明
素白先生=岩本堅一はジャーナリズムから遠く離れて生き、その消息は知るひとぞ知る。優れた国文学者にして、恐るべき散歩の達人。その世に隠れた珠玉の随筆を精選して大人の読書人に贈る。
目次
「山居俗情」(牛堀と長瀞;街の灯 ほか)
「素白集」(高台寺二趣;花の寺 ほか)
「素白集以後」(筑波;向島 ほか)
「遺珠」(古祠;孤杖飄然 ほか)
著者等紹介
岩本素白[イワモトソハク]
本名、岩本堅一(いわもとけんいち)。明治16年(1883)年東京麻布に生れる。早稲田大学卒。早稲田大学文学部教授。退職後請われて麻布高校、跡見学園短期大学の教壇に立つ。国文学者。随筆家
池内紀[イケウチオサム]
1940年、兵庫県生まれ。ドイツ文学者
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
Takako
sanga