内容説明
目をえぐる、焼き殺す、腹を裂くetc.…メルヘンに、かくも残酷な暴力シーンが描かれるのはなぜだろうか?グリム童話のなかに人間の根源的なものを探る。
目次
暴力の楽しみ
人間狼としての人間―公然の暴力
隠微な暴力
言うことを聞け、いやなら死ね―手きびしい教訓劇
想像の中の暴力
暴力とセックス
お上に逆らう下々
終わりなき暴力
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
14
メルヘン…グリム童話の中に出てくる暴力的な表現についての考察。結構昔の本でちょっと読み難く、なんかくどいなあと思うところもあったが、改めて言われると頷ける指摘ばかり。これを機会にグリム、アンデルセン、イソップと、童話をちゃんと読んでみたくなった。2020/05/13
魚京童!
13
意味なんてない。火を囲んで、話を聞く。お酒に呑まれるまでの世界の過ごし方。最高だと思う。だって朝は動物を殺して、昼間も殺して生きている。人間同士だって殺すことに抵抗がない。今は殺すことがないから問題になるけど、人間は殺して生きてきた。殺さずに生きるのは植物くらいだ。死という概念の問題だ。概念とは気分だ。そろそろ時間だ。今日はラーメンを食べにいくのだ。首を刎ねられるまえに食べたい。こんな話どうでもいいんだよ。まだ借りた本すべてに目を通していないというのにさ。2020/05/30
さとまる
4
グリム童話などメルヘンの中から暴力に関するシーンをとりだし、それがなんのメタファーでどのような意味が込められているかを解読する内容。やや牽強付会ではないかと思うような強引な部分もあるが、総じてなるほどと納得。2023/07/19
putisiyante
1
親に買ってもらった絵本の白雪姫の魔女やシンデレラの継母の怖い顔は今でもよく覚えている。今考えてみれば、話の内容は、確かにメルヘンとは言うが楽しかったりきれいなものではない。人間の暗の描写ばかりだ。教育的に作り直して子供用にメルヘンとなった要素が大きい。太古の昔紙も印刷もない時から語り継がれ広まったものだ。世界中に似た話があるのも不思議でもあり当然ともいえる。2013/04/30