出版社内容情報
人間の心とは何か。脳の理解の鍵を宇宙開闢の謎に探る。宇宙論の鬼才の、壮大かつ破天荒な試み。
内容説明
コンピュータ科学の研究に携わる多くの数学者たちは、人工知能(AI)を備えたコンピュータ―人間の心における思考プロセスと同等の、あるいはそれを凌駕する能力をもつ機械―が可能となる日は近いと考えている。オクスフォード大学の数学教授であるロジャー・ペンローズの見解は異なっている。彼によれば、人間の心の働きは―そして、猿やイルカの心でさえ―、すでに存在するいかなるコンピュータともまったく異なっている。知的な読者のために書かれた、このすばらしく面白い―ときに、きわめて論争的な―大作『皇帝の新しい心』で、著者ペンローズは、現在の物理学にはきわめて重要な基本的洞察―量子重力論―が欠けており、それが得られない限りは、心を理解することは決してできない、と主張する。しかも著者によれば、この基本的洞察こそは、物理学の究極的な統一理論をもたらすためにも必要とされるものなのだ。
目次
1 コンピュータは心をもちうるか?
2 アルゴリズムとテューリング機械
3 数学と実在
4 真理、証明と洞察
5 古典的世界
6 量子マジックと量子ミステリー
7 宇宙論と時間の矢
8 量子重力を求めて
9 実際の脳とモデル脳
10 心の物理学はどこにあるのか?
著者等紹介
ペンローズ,ロジャー[ペンローズ,ロジャー][Penrose,Roger]
1931年、英国エセックス州コルチェスターに、遺伝学者ライオネル・ペンローズの子として生まれる。ロンドン大学、ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジで数学を学ぶ。ロンドン、ケンブリッジ、プリンストン、シラキューズ、テキサス、コーネル、ライスなど英米の諸大学で教鞭を執ったのち、1973年以降、オクスフォード大学ラウズ・ボール記念数学教授職にある。1972年、王立協会会員に選出される。宇宙論におけるペンローズの定理をはじめとして、物理学・数学の多くの業績があり、王立協会メダル、アインシュタイン・メダル、イギリス物理学学会ディラック賞などを受けたほか、スティーヴン・ホーキングと共同でエディントン・メダル、ウルフ物理学賞を受賞している。初めて一般読者のために書いたThe Emperor’s New Mind(1989)は、1990年度の科学書賞(Science Book Prize)を受けた
林一[ハヤシハジメ]
1933年、台北市に生まれる。1958年、立教大学理学部物理学科卒業。現在昭和薬科大学名誉教授。物理学、科学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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