出版社内容情報
狂気の世界の魅力と不思議さ、狂気から現実への16歳の少女の旅路を描き、無限の感動を伝える。
1971年初版
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きたくり
2
◎分裂病(統合失調症)の少女を主人公にした小説。主人公デボラが3年間の精神病院生活を経て、“全身の重みをかけて”ある決意をするまでの物語。原題の「I never promised you a rose garden」がとても意味深い。映画を観たかのように映像として残る場面がいくつかあって忘れられない。特にラストは圧巻だと思う。大好きな本。『一つの生命のきびしい闘いの勇気にみちた物語は、無限の悲哀と数々の恐怖をテーマに含みながらもその読後感はさわやかに人を勇気づけるであろう』・・・解説より2010/12/15
ᚹγअәc0̸א
1
・セシュエー本に触発を受けたと思われるフィクション。在米移民家族(ラトビア出身ユダヤ系)の世代間葛藤テーマも盛り込まれており有難い。担当医フリード先生(F. Fromm Reichmannがモデルらしい)がナチ逃れ脱欧移民という設定にうまく噛み合わせている。 ・良心的兵役拒否者が懲罰的に気違病因(原文ママ)勤務に送り付けられる描写も時代が顕れており好。「戦争の恐怖の代替物」という立場で彼らをしごく患者勢がなかなか悪辣で嬉。「ホッブスは自殺※した、だから軍隊は彼を配属※した」(※:comimt)。
Chunko
1
すごく難しかった。どこかで「分裂病は未来に引きずられる病気で、躁鬱病は過去に引きずられる病気」だって聞いたけど…1994/09/07
一葉
1
「精神病」と聞くと気が狂った人と外からは見えるかもしれないが、本人たちは真剣に悩み、戦っている。そして自分がどう見られているのかを恐れている。 この本は自分の知らない世界を見たくて読んだ。相手を思いやることは、想像力を駆使することである。そのことを思い出させ、力を養ってもくれる、素晴らしい小説だと思う。世界は千差万別。常に客観的でいることはできないが、色眼鏡だろうとも上からたくさん掛けて、見える世界を広げていきたい。2017/09/27
よしの
1
斜め読みするとよく解らなくなってしまう。最後のほうが面白かった。生きるのは戦いなんだって2013/01/26
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