内容説明
画家の言葉を集成。『ジャズ』や『ダンス』についての手紙、デッサンや色彩の覚え書…作品の革新と思想の広がりをあざやかに記す。
目次
画家のノート
絵の仕事
バーンズ財団の『ダンス』について
デッサンと色彩の永遠の葛藤
私は本造りをどんな風にやったか
『ジャズ』と切り紙絵
ヴァンスの礼拝堂
メッセージ
著者等紹介
二見史郎[フタミシロウ]
1928年神奈川県に生れる。1951年東京大学文学部卒業。現在、愛知県立芸術大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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中国女
3
「画家は彼の絵を通してしか存在しない」という言葉通り、ピカソやウォーホルとかに比べて寡黙というか全くキャラのないマティスの貴重な本。まだジリ貧の頃にセザンヌの「水浴の女たち」を買い、絵をやめようかと悩んでる時にはこの絵に励まされたという話は、やっぱ芸術って凄いなぁって節操もなくしみじみ。手紙はいつも元気がなく、「今日は○時間仕事できました」とか、インフルエンザに脅えている様子を実況したり。マティス曰く、ヴァンスの礼拝堂のステンドグラスは、冬の朝11時の光線が最高らしいです。注釈も併せてちびちび読むと良し。2016/01/08
fumiko212
0
現地訪問を控えているのでヴァンスの礼拝堂のみ取り急ぎ読んだ。まだ写真でしか見たことのないあの礼拝堂がどうやって製作されたのか、何度も習作を重ねた末のあの線だったのか。礼拝堂を見る前に読めて良かった。詩を読むように何度も読みたくなる言葉があった。荘厳なパリのノートルダム寺院を見たマティスの言葉「一体あの礼拝堂はなんだろう。あれは一輪の花だ。一輪の花にすぎぬとはいえ、しかし、一輪の花ではある。」一輪の花が冬の光の中に咲いている姿に会えますように。時間が許せば他の章も読んでから旅立ちたい。2017/12/30
mori-ful
0
「よく人は二つの色を並べて置きます。それは人が思うほど調和しないのです。第三の色を置くことによって美しい効果(略)を得るのです。私のパレットの上の混ぜてない絵具を使います。私がカンヴァスの上に置くのは純粋な色合いです」(マティス『画家のノート』)2023/07/15