内容説明
イラン革命、テヘランの米大使館占拠事件の発生とともに、〈イスラム〉は世界のトップ・ニュースとして劇的に登場した。アメリカのTV・新聞は、それをいかに報道したか?また、報道しなかったか?エドワード・サイードは、その言説をフーコーのディスクール分析の方法によって考察し、フィクションとしての〈イスラム〉が造出される過程を明らかにする。そこに〈イスラム〉をあらゆる負の表象とみなす〈オリエンタリズム〉の20世紀的性格が浮き彫りにされ、現代の〈知と権力〉の構造が鮮明に示される。
目次
第1章 ニュースとしてのイスラム(イスラムと西洋世界;解釈の社会集団;「王女」エピソードの背景)
第2章 イラン報道(聖なる戦い;イラン喪失;未検証の隠された仮説;もうひとつの別の国)
第3章 知識と権力(イスラム解釈の政治学:正統的知識とアンチテーゼ的知識;知識と解釈)