内容説明
本書は、言語圏の諸問題をあつかった批評的エッセー22篇を収めている。《読み》を《コード化》としてとらえる「読書のエクリチュール」をはじめ、意味の戦いをめぐる「修辞の分析」と「文体とそのイメージ」、さらに、文学テクスト(フローベールやミシュレ)における写実・描写に関する卓抜な論考「現実効果」など、バルトの多様な、しかし一貫したテクストを集成。また、ブレヒト、ヤーコプソン、バンヴェニスト、ジュネット、クリステヴァなどについて書かれた書評・オマージュは、バルトの、暖かな人間的共感に満ちている。
目次
第1部 科学から文学へ
第2部 作品からテクストへ
第3部 言語活動と文体
第4部 歴史から現実へ
第5部 記号の愛好家