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破門の哲学 - スピノザの生涯と思想

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  • サイズ B6判/ページ数 290,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622003939
  • NDC分類 135.2

出版社内容情報

スピノザの破門が外的な受難ではなく、内的思想形成の必然たることを具体的著作により分析する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

FOTD

13
知識なく手にとった本。スピノザは進歩的な思想でユダヤ教を破門されたと思っていたが、そうではなく人間関係のもつれから破門されたのではないかと考察されていた。スピノザが下宿していた家の主人(キリスト教信者)がキリスト教をやめようかと悩んでいてスピノザに相談したが、スピノザは信じる宗教をやめることはないと説得するエピソードが書かれていたが、これが胸にグッと来た。 2021/03/08

4
スピノザの挫折から始まって如何にして彼の哲学が作られていったのかを丁寧に書き出している。作者自身が言っているように、スピノザを生身の人間として強く書き出したかったのだな、というのがよく分かる。一部文章の順序や作者の提案に不満を覚える部分もあったけど、スピノザという人間性を知る取っ掛りには十分だと思う。2009/09/05

里のフクロウ

3
スピノザ思想の根幹は幸福にあり、「観念」がそこに至る道である。そのための方法を「短論文」「知性改善論」「エチカ」に認めた。「破門の哲学」は、エチカと他の論説との間に変節があることをスピノザの自伝的エピソードを背景とした論考をしている。この手法非常にユニークであるが、合理の哲学と相容れないのではとも感じた。しかしながら著者も後記しているが、冷徹なエチカを前にした時、スピノザの人間性を掘り起こそうと思い付いたことに敬意を表したい気もする。ユダヤの破門の持つ重さと意味を認識しての理解は確かに必須であると感じた。2019/05/22

amanon

2
十年以上前から読みたいと思っていたが、なかなか果たせずこの度ようやく読了した次第。それはともかくとして、著者自ら後書きで述べているとおり、極端に伝記的事実に乏しいスピノザを彼の伝記的事実から、その思想を解き明かそうとする著者の試みは非常にユニークで、興味深く読めた。特に印象的だったのが、彼が両親を失った後、たった一人の肉親である妹と仲違いを起こし、その挙げ句遺産相続権を失ってしまったというエピソード。このようなトラウマ的な痛手を受けた人間が残した著作が非常に透徹したものであるというのは、非常重たい事実。2010/11/26

TTT

2
スピノザの哲学(主に認識論)を彼の人生史から捉える。人間スピノザの孤独を(やや過剰に)書き出しています。形而上学の扱い少ないのが気になりました。2009/07/26

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